シミズアキラ
清水晃
土方巽の舞台美術とか切れ味の鋭いコラージュ作品も悪くはないのだが、なんといっても《漆黒から》と題されたオブジェシリーズに心奪われる。コラージュが空間を引き裂くものであるならば、これらのオブジェはその裂け目から姿を現した異形の種族である。
2000年に足利市立美術館で見たときには、ひと部屋がすべてオブジェで埋めつくされていた。昆虫のようでもあり戦闘用のメカニックのようでもあるそのフォルム。目をそらしている少しの間に、いや瞬きのわずかな間に《彼等》は動き出し我々の世界を脅かすのではないか。あるいは《彼等》こそが世界の正当な支配者であり、我々の住むこの世界をぐるりと裏返し、裂け目の中に押し込めてしまうのではないか。そんな空想をかきたててやまない、懐かしさとおそろしさの同居した無気味な存在である。
すごいのはこのオブジェ作品を数十メートルの大きさにして天草や新宿副都心のあたりに出現させようというプロジェクトがあったということ。考えただけでもわくわくする。小規模でもいいからどこかで実現してくれないものか。
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