オンシツサイアイ
温室栽愛
購入してから2年以上が過ぎた。
何だか読み始めた途端に、挫折してしまうのだ。
なのに、なのにだ。今日は何故だかするすると、読了できたのだ。
この週末、私もバレーボール以外は温室とも呼べる自室にずっと引きこもっていたからかもしれない。
26歳の佐知は、母親が経営する喫茶店のバイトをしている。
常連客の初老男性・鈴木さんとのあいまいな関係に苦しみつつも、彼を思わずにはいられない。心の中を彼だけに埋め尽くしてしまおうとしている。だけど、それだけの自信が自分にも彼の中にも持ちきれないでいる。
こんなところにいたくないと思いつつ、ここにしかいられない自分を諦めているような日々。
お店は彼女にとって、温室のような場所である。でも佐知はそんなに繊細でもないし、価値もないし、たくましくなければならないことも、気付いていく物語。
物語になくてはならないキーパーソンが、大学時代の同級生、葛飾桜子。
モテてモテて困っちゃうほどの桜子。
二人は小林という桜子の恋人であり、佐知の友人を介して、嫌遠していた関係であった。
4年ぶりの再会は、なぜかホテル暮らしを繰り返す桜子の妊娠しているという事実から始まる。
子どもの父親を明かそうとしない桜子への興味から、桜子との距離が縮まっていく。桜子は佐知のお店にかつての恋人たちを呼び出しては、こっぴどい仕打ちを受けている…ように見える。
佐知と桜子の、恋愛観の徹底的な対極の有り様が照らされ、鈴木さんやかつて佐知の恋人だった男性や小林たちとの関係性もどんどん変化していく。
桜子の子どもの父親は…?
鈴木さんと佐知の恋はどうなる?
佐知と桜子はわかり合える?
そんなことが剥き出しになっていきます。
読み終わり、このタイトルが妙にしっくりきた。
私も早く、この家を出ないと…と、漠然と焦っていたけど、この家や家族やこの家に住んでいる自分をいまいちど、見つめ直しておくべきだし、受け入れないといけないように感じた。
読むべくして読んだ今日だった。
私は完全に佐知タイプ。
「全部好きだった」
終わってしまった恋だとしても、
今の私を作り上げてくれた一部分に
あなたがいてくれたことに、ありがとう。
いやー、あんなに好きで苦しかった彼に会っても
わたし、言えない。今も。
でも、言えるような自分になれたらいいなと思う。
やっぱり狗飼恭子さんは、苦手です(褒め言葉です)
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