よせげいにんでん
寄席芸人伝
図書館でたまたま見かけた、古谷三敏のマンガ。ビッグコミックに連載されていたらしい。
噺家を主人公にした読み切り作品集で、どこかで聞いたような人情噺そのまんまの生き様の噺家や、のぼせている若手真打がベテランの妙味で目覚めるストーリーなど、落語あるいは寄席を素材として人間を暖かく描いた作品。
最初は実話かと思ったんですが、古谷三敏の創作だったようで、しかし多方面に取材していたようです。また、多少は読者を選ぶけれども、わかる読者はニヤリとさせたりホロッとさせたりのサゲ(オチ)など、落語を作者と読者の共通言語とした「わかる読者にはわかる」という筋立ても、けっこうくすぐられます。(私自身はそれほど古典落語に通じているわけではありませんが、わかったときにはニヤリ)
個人的には、ある師匠のおかかえ車夫(人力車ひき)になった男が、送迎しながら窓の外で師匠の芸を聞いているうちに噺を覚え、老いて臨終の間際に師匠に一席聞いてもらい、師匠が感動して「こんな近くにこんな名人がいたことに気づかなかったなんて」とうなる一編が好きです。
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