エネルギー代謝を活かしたスポーツトレーニング
部分痩せとか、脂肪だけ燃やせとか、数週間で数kg減というのは、ありえないと思う人が読むと納得する一冊。
スポーツ(とくにジョギングと球技)の疲れと、食事=糖、脂肪、タンパク質(アミノ酸)との関係について、整理している、さらに、身体の代謝を、収入と支出とにわけて、そのバランスが崩れて、貯蓄が増える現象=肥満と捉えるモデルにおいて、スポーツの位置づけを、マクロにわかりやすく説明している。
■とくに、スポーツによって疲れる理由は、体内の糖が一時的に不足するからであり、その代用として脂肪を使うのは難しい、ことは丁寧な説明で、理解できた。以下、自分なりの理解でメモとして、
まとめてみる。
・糖と脂肪が1:1で消費されるが、スポーツで消費できる糖の絶対量(基礎代謝を含めて身体全体で2000Kcal程度)が、脂肪の量に百分の一程度と圧倒的に少ない
・糖を食事によって蓄えようとしても、(糖から脂肪へ変換されて)使われる以上は体内で脂肪として貯蔵される
・アミノ酸は、運動後に筋肉を修繕するためで、すぐに食事がとれない環境では有用ではあるが、普通の人はそこまで限界に追い込むことはないだろう。
この本は2004年の発刊で、疲労と乳酸との関係は実験をふまえて否定しつつ、他方、疲労とリン酸の関係は仮説に留めている。その後の研究成果を別途しる必要がある。
■その他に
・アミノ酸サプリメントや、その他栄養ドリンクについて、運動後以外で摂取するのは、(たとえば、精神的な疲れに対して回復を目的として摂取するのは、カフェインによる覚醒とブドウ糖などによる血糖値の一時上昇による効能によるもので、となると、コーラを飲むのと一緒か)、薬効としては本来の使い方を誤っている(となると、運動後に足りない水分を補充するのに甘みがついた方が飲む量が増えるのと、飲の習慣付けがしやすい、というレベルのものか。あくまでも、途中に給水するのが望ましい)。
■トレーニングの仕方として
・無酸素運動では減量効果がないというのは、言い過ぎ。脂肪よりも糖の払出しがより進むだけで、普通の人は運動不足をきにすべき
・毎週一・二回の長時間走(遅筋向け)と、日々の運動強度を上げた走行(速筋むけ)の組み合せという戦術が、持久力=身体全体の筋肉で糖を蓄積できる部分を増やし、さらに、運動中に糖を不足しない使い方を身につける戦術である。
→ただし、身体の容量的には、マラソン=30キロの壁が存在しうる。この壁をより遠くかつ低くするための戦略として、最大酸素摂取量を増やして効率をよくするか、血中乳酸素濃度のしきい値(LT)を上げるか、の二つの戦略がある(とくに、後者のLTを上げる戦略は、速筋に蓄積した糖をレース後半まで温存できるのと、加齢でも改善できる余地がある。ゆえに、後者を選択する。しかし、LTを上げるための長時間走を優先しても、最終的に糖を蓄えるべき筋肉の質では、遅筋と速筋のバランス維持が重要。そのための上記戦術。片方だけの強化では、片手落ちとなる)。
- 商品名: エネルギー代謝を活かしたスポーツトレーニング
- 価格: ¥1,890
- 著者: 八田 秀雄
- 出版社: 講談社
- 発売日: 2004-03
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- 2009/10/12更新
- 2009/10/12登録
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