がんばれヘンリーくん
児童図書館員だったクリアリーのふつうのこどもらしい日常を描いた文と、ルイス・ダーリングの生き生きとしたアメリカのこどもたちを描いたさし絵が、当時の日本の児童文学にはない新鮮さで子どもながらに強く衝撃を受けた。
松岡 享子さんの翻訳で、当時の学研は今より数倍勢いを感じたし、子どもたちが楽しめる本をシリーズで紹介しているというポリシーを感じていた。
全国学校図書館協議会必読図書なんて書いてるぐらい。
このシリーズを読み、「ニューヨーク・パパ」や「パートリッジ・ファミリー」を見てアメリカへのあこがれがつのった。
3年生のヘンリーくんが、毎週水曜日の放課後、バスに乗ってYMCAへ泳ぎに行き、帰りはドラッグストアでチョコレートアイスクリームを買い、またバスに乗って帰る・・・・。アメリカだ~と思った。
1969年の発行。
やせた、あばら骨がすけて見える犬のアバラーを拾い、飼いたい!と連れて帰ろうとするが、バスには乗せられない。
すると、ドラッグストアで段ボール箱をもらって、それに入れて乗ろうとするが、ふたがしまっていないのでダメだと、また言われる。
大きな箱にアバラーをのせて、足元も見えず、両手もふさがっているため、箱を下においたらアバラーが逃げ出すと考え、体を横にして運転手にていねいに、
「すみませんけど、ぼくのポケットから、10セントとってくれませんか。ぼく、手がふさがっているもんですから。」
と頼んだのにもかかわらず・・・。
それでもあきらめず、ヘンリーくんは再度ドラッグストアに向かい、5セントを払い、大きなショッピングバッグを買い、それにアバラーを入れて、ついにバスに乗車する。
自分で考え、なんとかするところがいいいねー。
こういう経験が大切。
その他いろいろ騒ぎをおこしたが、帰りが遅いのを心配したお母さんが電話したため、警察を呼ぶさわぎにもなったにもかかわらず、この犬をみたお母さん、
「ヘンリー、いったいこのつぎは、何をしでかすつもり?」
とは、いかにも。
グッピーの飼い方を調べるのに図書館で本を借りたり、自分も欲しくてしょうがなかったフットボールを友達から借りて投げたら、通りを走る車にのってしまい、弁償するためにお金をためる・・・・、そのお金の貯め方がまた、くふうに工夫を重ね、感心。
アバラーがの、もと飼い主の男の子が現れるが、最後にアバラーがヘンリーくんを選び、みんな大喜びとなるが、その男の子の気持もちゃんとわかるヘンリーくん。
「すごくいい犬だもんね」
と言う。
ビーザスが
「あー、よかった!アバラーがいなくなったら、わたしたちどうしたらいいか、わからないわよねえ。」
というのもいい。
大人から見れば、素敵には見えない犬でも、すっかり子どもたちの仲間になっている。
これからの楽しいできごとを予感させる、シリーズ大第1作目。
いいな、こんな生きる力のある男の子。
写真は改訂新版だが、過去のものと同じ色合いの表紙でほっとした。「ゆかいなヘンリーくんシリーズ」の①なのでまずはこれから。
- 商品名: がんばれヘンリーくん
- 価格: ¥1,260
- 著者: ベバリイ クリアリー
- 出版社: 学習研究社
- 発売日: 2007-06
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- 2009/12/06更新
- 2009/12/06登録
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