ユキオカコウボウ ツインタイプ オイルカートリッジ
雪丘工房 Twin Type オイルカートリッジ (グラスファイバー混紡芯)
雪丘工房製のオイルカートリッジ。灯心が2本のツインタイプというモデルで、グラスファイバー混紡芯を選択した。文末に問題点と対処法を追記。
UCOのキャンドルランタンなどに装着すると、オイルランタンとして利用できる。燃料は灯油やランプオイル(パラフィンオイル)などを用いる。
特徴は、もちろん芯が2本並んでいることだ。そのため平芯を使ったような幅広の炎を形成し、単芯よりも明るく光る。とはいえ、単芯のオイルカートリッジを2本用意した方が明るいだろう。しかし、2芯のオイルカートリッジを2本使えばもっと明るい。堂々巡りである。
またUCOのオイルインサートと異なり、外部から(燃焼中でも)芯の高さを調整できるのはかなり便利だ。
そして何より、総真鍮製というところもポイントだろう。美しく輝くその様は、見ただけでヤラレてしまう感じがする。年月を経てくたびれた風情が出るのも楽しみだ。UCOのキャンドリアに3本立てたらさぞやと思うが、値段を考えると背筋が寒くなるので、そちらはUCOのオイルインサートで我慢する。
購入したモデルは、雪丘工房のサイト上にある写真と違い、エア抜きバルブを備えていた。灯心周りの造りもやや異なるようだ。おそらく細かな改良を加え続けているのだろうと思われる。
ツインタイプは芯を抜かずに給油するため、エア抜きバルブの存在は大変有用で、素早い給油を実現している。バルブがなかったモデルは、どのように給油していたのか不思議なくらいだ。芯を抜いてもエア抜きしにくいように思うのだが。
とはいえ給油には注意が必要で、別売りのねじ込み式専用漏斗がないとかなり難しい。これは少なくともツインタイプに限って言えば、標準装備にするべきだと思う。また、ねじ込み漏斗を用いても安易な給油は禁物で、満量を超えるとエア抜きバルブから燃料が溢れる。
バルブを閉じた状態で漏斗に燃料を満たし、バルブを開いて漏斗内の燃料を落とす。これを繰り返すと具合が良い。4回目には燃料が溢れるようなので、3回で留めた方が良いだろう。
給油のしにくさについて、雪丘工房さんからご連絡を頂いた。安全性と使いやすさを天秤にかけ、安全性に重きを置いた結果だが、より良いバランスを求めて随時アイデアを検討中だという。なるほどと納得した。こうしたレスポンスの良さは、大手と違いガレージ(と言っては失礼だろうか?)メーカーならではだ。客としてもロイヤルティが上がってしまう。
補足:3月購入分のモデルは、シリンダーキャップの内側がテーパー状に削り込まれ、別売りの漏斗を使わなくとも、1月購入のモデルに比べれば、だいぶ給油しやすくなった。また、滑らかすぎて回しにくかったシリンダーキャップのローレットも、3月購入のモデルでは指掛かりが良い加工に変わった。非常に実際的な仕様変更だと思う。
燃料をほぼ満タンにして6時間以上燃焼し続けた。灯心が2本だからもっと燃費が悪いかと思ったが、まずまずの長さだ。補足すると、これは芯を長く出して炎が大きい状態の話で、炎の大きさを抑え気味にすると10時間以上持つ。UCOのオイルインサートだと、4時間から5時間で消えてしまう。
燃料は灯油やパラフィンオイルを用いると書いたが、個人的にはエコ灯油がお勧めだ。以下にそれぞれの特徴を並べてみよう。
一般的な灯油:安い(リッター60円)、臭いが強い、煤が出やすく炎を大きくできない。
パラフィンオイル:高い(リッター千数百円以上)、臭いが少ない、煤が出にくく炎を大きくできる。
エコ灯油:比較的安い(リッター175円)、臭いが少ない、パラフィンオイルよりも更に煤が出にくい。
最後にグラスファイバー混紡芯だが、燃料を使い果たすまで放っておいても、ちびることがない。もちろん綿の露出部分は焼失するが、グラスファイバーが残る。その状態でも燃料の吸い上げには支障なく、これは綿芯に対する決定的なアドバンテージだろう。
正直なところ値段はかなり高いと感じるが、それでもなおと思わせる要素に満ちた製品だ。
以下、5/31追記。
だいぶ使い倒したので問題点に言及する。
まずは部品の名前を定義しよう。以下の文章では、芯ホルダー部分の外側のパイプを外筒とし、外筒に差し込むパイプ(針金でつながっているパイプ)を内筒とする。
ツインタイプでは、内筒を外筒に差し込む深さによって、露出する芯の長さ(炎の大きさ/明るさ)を調節できる。しかしこの時、内筒から引き出す芯の長さによっては、過剰燃焼(後述)を起こすことがある。
具体的に説明すると、内筒から芯を5ミリ引き出し、それを外筒に深く差し込んで、見た目の芯出し量を1ミリにした場合をAとする。次に、内筒から芯を2ミリ引き出し、それを外筒に浅く差し込んで、見た目の芯出し量をやはり1ミリにした場合をBとしよう。
AとBのどちらも、最初のうちは同じように燃焼する。しかし時間が経ってオイルカートリッジの温度、すなわち燃料の温度が上がってくると、Bは少し炎が大きくなるだけなのに対し、Aは外筒全体が燃え上がるような、とても大きな炎に成長する。
このAの状態を、個人的に過剰燃焼と呼んでいる。過剰燃焼に至ると炎が大きすぎ、煤が盛大に発生して内部に積もるほどになる。もちろん外にも大量の煤が流れ出る。この時、Aの内筒を更に深く差し込んで芯を下げても、過剰燃焼は解消しない。
おそらく外筒が単純な円筒ではなく、側面にスリットの開いた形状であることに由来するのだろう。つまり温度が上がると、「外筒の中で」露出している芯から揮発した燃料がスリットから漏れ、これに引火して外筒全体から炎が上がるのではないかと思う。
これは大変困った状態だが、あらかじめ芯を上手く設定しておけば回避できる。
芯設定のコツ
さて芯の設定だが、大事なことは内筒から引き出す芯の長さを、必要最小限にするという点だ。つまり、組み立てた後に最大2ミリまでしか芯を出すつもりがないのなら、内筒から引き出す芯の長さを2ミリに抑える。すなわち組み立てた後、芯を伸ばす方向に(炎を大きくする方向に)調整幅を持たせてはいけない。内筒から引き出す芯の長さは、2ミリから3ミリ程度にした方が良い。
点火してからしばらく時間が過ぎ、ポッポッという音が微かに聞こえ、炎が息継ぎするような状態になったら、それは上述した過剰燃焼の先触れだ。その時は、内筒を押し下げるよりもいったん消火して、内筒から引き出す芯の長さを見直すべきだ。
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