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MICHAEL FOREMAN ‘A Child's Garden: A Story of Hope’

少年の木 希望のものがたり

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ノンフィクション作家として知られる柳田邦男さんは、絵本の翻訳も数多く手がけている。『風の又三郎』の画に心動かされ、自身の作品の挿画を依頼したことがきっかけで知り合い、のちに奥様となった絵本画家いせひでこさんの存在を忖度してかまわないだろう。

いせさんはどこかで、こんな意味のことを語られていたはずだ──絵本を読むということは、大人にとっては自分の原風景を探しに行く旅だ。それは年を重ねることで抱えたものを捨てるのではなく、くり返し拾いに行くのだと。

よし、拾いに行こう。

『少年の木 希望のものがたり』はマイケル・フォアマン原作。この英作家は永いこと、平和をテーマに描いてきたという。日本語訳は、もちろん柳田さん。

少年の前には鉄条網、かつて自由にかけ回っていた街のこちら側は廃墟になっている。彼はある朝、その瓦礫の中に小さな芽を見つける。空き缶にたまっていた水で、それを育て始める。ぶどうの木だった。そうして豊かに大きく育った樹は、あのころのように子どもたちのたいせつな遊び場になった。

突然、兵士がやって来る。根こそぎにして、鉄条網の向こうに捨てる。

それでも、春になると若葉が芽吹いた。しかし、少年には水をやることができない。と、鉄条網の向こう側──こちら側とは明らかに風景の違う街の少女が、その芽を育て始める。ある日、ふと見るとこちら側にも芽が出ていた。少年はもちろん、水をやる。

ふたつの芽は鉄条網を超えて、いつか・・・。

柳田さんは、谷川俊太郎さんとの対談でこんなことを語っている──「絵本はただ可愛いだけ、楽しいだけではなく、時には悲しい思いや体験を表現するものでもありますね」

「この間、突然ご主人を亡くした上に、寂しさを紛らわすために飼った愛犬までも死んでしまったという女性の話を聞きました。悲しみに暮れてぼう然としていた時に、娘さんから1冊の絵本を贈られた。それが菊田まりこさんの『いつでも会える』だったのです。本のストーリーにもあるように、目をつぶればいつでも大好きだったご主人や愛犬に会うことができる。そして、この小さな絵本が、人生を立て直してくれるきっかけになったというのです」(心の豊かさを耕すために

少年の木 希望のものがたり

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  • 2010/01/31更新
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