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パワー (西のはての年代記 3)

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3部作を読んで

西のはての年代記3部作はさすがにル・グウィンの作、緻密に作り込まれた架空の世界での物語が生き生きと描かれている。とても面白く各々1〜2日で一気に読んでしまった。しかし、アースシーの物語(ゲド戦記という邦題が私は嫌いだ)を読んだ時(もう大昔だが)のような、全く新しい世界に触れるワクワク感のようなものは感じられなかった。既知の世界を違った視点、角度から観ているという印象である。
3部作では西の果ての世界の中の3つの地域での全く別々の物語が語られていて、それぞれに主人公は異なるが、主人公たちは関わりを持ち、最終的には一堂に会することになる。
主人公たちに共通しているのはそれぞれの血筋に関わる「力」を持っているということだ。
その血筋の宿命、束縛から第1巻の主人公は解き放たれ自由になる。第2巻の主人公は自ら宿命を背負い受け継ぐ決意をする。第3巻の主人公はむりやり断たれた宿命の下で自らの道を求めて彷徨い最後に自立する道を見出す。それらの物語の中で、人間の尊厳とは、信頼とは、愛とは、自由とは・・・といったテーマが繰り返し問われ続ける。
とても重く悲劇的な物語である。特に一番長い(やや冗長にも感じられる)第3巻は暗く哀しい話の連続で救いが見出し難い。悲劇を乗り越えての主人公たちの明るく前向きな姿が唯一の救いであり、希望の光なのだろう。
読み終えて、人生とは、生きるとは何なのかということについての、ル・グウィンから若者へ向けての渾身のメッセージ、問いかけの書なのかもしれない、という感がした。

パワー (西のはての年代記 3)

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ocean3055
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  • 商品名: パワー (西のはての年代記 3)
  • 価格: ¥2,205
  • 著者: アーシュラ・K・ル=グウィン
  • 出版社: 河出書房新社
  • 発売日: 2008-08-23
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  • 2010/02/15更新
  • 2010/02/15登録
  • 1760クリック

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