誓いの休暇
映画は兵士の母が果てしなく続く村の一本道にじっとたたずんでいる、というところから始まります。その若い兵士アリョーシャは戦争の犠牲になったことが最初に告げられます。彼がこの母に会いにいく6日間の休暇の出来事を描いた映画です。
彼は敵の戦車への攻撃が成功したことにより、上官から6日間の休暇を与えられ、故郷で待つ母のために先を急いでいました。この映画では、アリョーシャのお人よしでのんびりした性格と交通手段である汽車や車の時間が対比されているように思います。人のいい彼が関わる人それぞれが複雑な事情を持っているために、ことごとく汽車の時間に遅れるのです。そして、貴重な休暇がどんどん少なくなっていきます。
例えば、見も知らない兵士から、自分の妻にあって自分が無事でいることを伝えてほしいと、貴重な石鹸を渡されます。彼は道中汽車に遅れることもいとわず、律儀にも彼の奥さんを訪ねますが、彼女はすでにほかの男性と一緒になっていました。
彼女は彼に「このことはだれにもいわないでほしいの」といいます。「でも。。。いったほうがいいのかしらね」とも。アリョーシャはこの奥さんから石鹸を奪い返し、爆撃で足を負傷して施設で保護されている兵士の父親のもとをたずねます。
この父親はアリョーシャの訪問を心から喜んで尋ねます。
「息子は元気かね?戦場ではどのような働きをしているのか?」
実は見ず知らずの兵士だといいだせない雰囲気の中、アリョーシャは、彼はすばらしい兵士でみんな彼を尊敬していますとたたえてみせます。満足気な父親に石鹸をわたして帰ろうとすると、父親はいいにくそうに、「その。。。このこと(足の負傷)はあれにはいわんでくれ。」といいます。
妻と父親の言葉はまったく一緒なんですが、後者は本当の思いやりから自然と生まれた言葉で、このエピソードは好きなところです。
アリョーシャはこの短い道中、恋もします。そして、案の定母親の待つ村にたどりつくまでに、休暇の大半を消化してしまっているのです。本当に母親に会えるのかどうか。。。最後まではらはらしどおしなのです。
- 2002/11/28更新
- 2002/11/07登録
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