「中」がこんなにマッタリしてていいのかあ!! な
刑務所の中:崔洋一・監督
「中」で出る「アルフォート」(下記リンク続編)が気になってなってホントしかたないんで、レンタルでまた見ちゃいました。映画『刑務所の中』(崔洋一・監督 2001)。そしたらアルフォートだけじゃなかった。「貴方の分がとってあります♪♪白い恋人おォー♪」に♪♪「おはぎに大福、、」♪・・・・(こういうTV・ CMシーンが本編内にあり)。いったいアンタ、なんのはなし、しとんの?いやサ、ジャンルとしての「食い意地映画」ってのもアリ、かな?と・・。
コレ、まんま「ムショ映画」にして、食い意地映画なんです。原作は花輪和一の同名漫画。「銃砲刀剣類等不法所持」で実刑3年の花輪(山崎努)、刺青(=仁議!ちがうダロ!)ありのヤクザ(松重豊)、シャブ中(村松利史)、大麻不法所持のおぼっちゃま(香川照之)、罪名不明(田口トモロヲ)、の雑居房「五匹」。彼らの日常が綴られる。
が、なにやら凶悪そうなことは、いっさい起きない。はなしの中心はひたすら、かれらの食い意地。「五匹」のみならず囚人たちは皆、異常に食に意欲を燃やす。明らかに「官」は、彼らの食への執着を、「無事おつとめ」・成就のための動機付けにしていますネ。「甘シャリ」(菓子の隠語)=アルフォート(コーラ付きで映画会)に、シャバじゃどういったこともない正月料理。でも彼らには甘露このうえない!事実、観てるこっちも涎モンでした、この「まちどおしいお正月」の料理シーンは・・・。
「くさいメシ」なぞ、トンデモないわけです・シャバで悪さしての懲役生活、それはけっこう、規則正しい“更正”への一歩かも、なぞと考えてしまいます。合間に何度も挿入される山崎の内省の時間。そのシーンに被さる、まるでムショとは場違いなシューマンのピアノ曲「遠い国から」(『子供の情景』第1曲)が、おいッ、ムショ生活がこんなにマッタリしてていいのか!という観る者の違和感を和らげるのです。
たとえ「塀の中」とはいえ、これも人生!♪嗚呼ッ、人生の並木道♪・・・。
私の敬愛する『抵抗』のロベール・ブレッソン先生なら、本編を観てこう仰ったかもしれません、「Merde!!(ワりゃ、エエ加減さらせよ!!=意訳)」。でも崔監督、案外、ブレッソン監督へのオマージュを捧げているのかも。だって『抵抗』も、「脱獄」への物凄い緊迫を描いているのに、バックは、これも本編の「遠い国から」同様、モーツァルトの春の日差しのようにマッタリとした音楽でしたから。
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