せいしゃかいがく
聖社会学
第二次世界大戦前夜のパリ。ある書店の一角で毎週決まった時間に、地に落ちてしまった人間の《存在》と《聖なるもの》についての探求を主題に研究討議を行う者たちがいた。
このバタイユを中心にカイヨワ、レリス、クロソウスキー、そしてコジェーブら、時に亡命者ヴァルター・ベンヤミンを巻き込んではじめられたこの社会学研究会という集まりが戦後のフランス思想界の起爆剤になったであろうことは想像に堅くない。
とくに、「魔法使いの弟子」と題されたバタイユの恋人たちの共同体論は必見。これはバタイユが書いた、最も不可能の美しさに満ちあふれたテクストのひとつである。
後にバタイユが放棄した恋人たちの共同体の持つ可能性は哲学者ジャン・リュック=ナンシーの「無為の共同体」によってより深く検討され、さらにそれをきっかけとしてバタイユの友人であったモーリス・ブランショによって「明かしえぬ共同体」という友愛の書物が書かれることになる。
このドキュメントをまとめたカリフォルニア大学に在職中のバタイユ研究家ドゥニ・オリエの解説と注釈も文章にはったりが利いてて非常にカッコいい。ちなみにこの本の前書きはニーチェのパロディになっている。おなじオリエがまとめたバタイユの雑誌「ドキュマン」も同じメンバーで日本語に訳してほしいものである。
- 聖社会学
- ドゥニ・オリエ=編 G・バタイユ+R・カイヨワ+P・クロソウスキー+M・レリス+A・コジェーヴ
- 兼子正勝+中沢信一+西谷修=訳
- 工作社(絶版)
- 2002/12/12更新
- 2002/11/17登録
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コメント (3)
2002/11/18
xenon バタイユとカイヨワなんて、気にある組み合わせ!!面白そう!読んでみたい・・と思いましたが絶版なんですね。図書館で探しますわ。
2002/12/10
Rume カイヨワはちょっと右翼少年してる序文「冬の風」はさておき、フランスで先祖代々受け継がれていた首切り役人の一族の話は面白かったです。
2002/12/13
Rume エーと、今手元に本がないのでうろ覚えなのです
が。
狂気の人間。-諸君はあの狂気の人間のことをみみにしなかったか、
-白昼に提燈をつけながら、市場へ馳けてきて、ひっきりなしに「おれたちは社会を捜している!おれたちは社会を捜している!」
と叫んでいる人間たちを。という調子。
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