平山夢明/ダイナー
血まみれでグロテスクで切なくてほんの少し救われる。
『独白するユニバーサル横メルカトル』で混沌の美しい世界を描いた平山夢明の、平山流殺し殺され恋愛譚。
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軽い気持ちで闇仕事に手を出し捕まって、殺される寸前でとあるダイナーのウェイトレスとして買われたオオバカナコ。
そこは殺し屋専用のダイナーで、ウェイトレスの命の安全など毛ほども考慮されない最悪の場所。
逃げれば殺す、逆らえば殺す、死にたくなったら殺してやる。
そう嘯くマスター・ボンベロのもと、ネジの飛んだ殺し屋たちを相手に、オオバカナコの極限状況での接客が始まった。
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それぞれ別の部分がぶっ壊れた殺し屋たち。
美味しそうな料理の数々。
そしてなにより元殺し屋・現マスターのボンベロの格好良さったら。
今作でも相変わらず元気いっぱいあの手この手で人が死んでいきますが、どんなに血や肉片が飛び散っても決して下品にならない、全編通して漂う清潔な感じというのは、この手のジャンルにおいて得がたい資質だと思います。
特に今回はポップでエンタメなので、漫画になっても面白そう。
『ドロヘドロ』の林田球とか雰囲気が似ているかもしれません。林田球の描く殺し屋組とボンベロ菊千代カナコ組。読んでみたい。
もちろん駄目な人は駄目な描写がいっぱいなので万人にすすめするものではないですが、スプラッタとエンターテイメントがバランス良く詰まった作品で、私はすごく面白かった。
なにより平山夢明でお腹が空く日が来るとは。
奴らは動きを止めると溺死する鮫と同じだ。それをしなければ
死んでしまう。なぜ、俺はこんなことをしてしまうのだろう、
どうして俺は普通にできないのだろうと思いながらそれをする。
(中略)
『フランケンシュタイン』は架空の話ではない。あれは現実を単に
描いただけなのだ。
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