「あのゆうひ/ぼくしかん」ひのけいぞう
「あの夕陽/牧師館」日野啓三
芥川賞選考委員でもあった、作家の日野啓三さんが亡くなられた。亡くなる直前に、日野さんの過去の短編集から再編集した、本書が刊行された。結果的に日野さんの追悼作品集となってしまった。軍事政権下の韓国やベトナム戦争を現地で取材したジャーナリストだった氏は、80年代のコミック・マーケットに新しい時代の息吹を感じ取ることの出来る感性の持ち主でもあった。多くの文学賞を受賞したものの、年寄りの冷や水と言って批判する評論家も多かった(らしい)。晩年は、極めて哲学的な私小説を書いた。初期の作品は入手困難で、未読の作品もある。何とかして読んで見たい。
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