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渋い!! けれども、こころに残る

ブラームス・ヴァイオリン・ソナタ集:デ・ヴィート(Vl)・E. フィッシャー(Pf)

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こころを沈静させたいときに聴く音楽があります。日常の雑事に追われ、心底、疲れ果てているときだって・・・。そんな折、よくこのCDをかけています。イタリアのヴァオリン奏者・ジョコンダ・デ・ヴィート(Vl)とエドウィン・ フィッシャー(Pf)によるブラームス・ヴァイオリン・ソナタ集
1954年、56年の古い録音ですが、彼女の虚飾を排したブラームスの旋律の歌わせ方、が聴く者の傷んだ部分を修復するようなのです。巨匠エドウィン・ フィッシャーのピアノも、ただの伴奏ではなく、そんな彼女の演奏スタイルにぴったりと寄り添い、ときには自らも抑制されたブラームスの奏法の妙を聴かせてくれます。
第3楽章が自作の歌曲「雨の歌」の旋律に拠った「第1番ト長調op78」。最晩年のブラームスの孤高の歌である「第3番二短調op108」。そして、この2曲の巨峰のあいだで可憐に咲く花、といった感のある「第2番イ長調op100」。
当KWを書くにあたって、楽譜を時折、覗きつつ、聴いていたのですが、彼女の「虚飾を排した」と私が感じる根拠が、少し、わかってきたようです。50年以上も前の録音、という条件を除いても、現在のヴァイオリニストのスタイルとの僅かですが、少し異なる点が彼女の音程のとり方に、あるようです。ほんの微細な差なのですが、心持ち、低めなんです。
「第1番ト長調」の第2楽章。ヴァイオリンの「ダブルストップ(重音)」(=和音を弾くこと)でこの楽章のテーマ主題が出てくる、非常にきれいな箇所(練習番号No22~No23間の19小節)前後に、そのことが最も明瞭に・・・。ヴィートは、ふたつの音の“幅”を低めにとっています。やはり時代性は演奏にも現れます。今のヴァイオリニストだと、もっと高めにとるはずです。高めにとったほうが、音楽にちょっとした張りが生まれます。でもその分、高めに“とり過ぎて”、音楽がうわずりがちになるんですね。
少し理屈っぽいことを書いてしまいました。ヴィートはこれ見よがしの歌をヴァイオリンで弾くことが、嫌いなんでしょうね。禁欲的なんです。これはフィッシャーも同様。派手な表現を一切、しない。ですから、ふたりの演奏が古臭いというのではありません。念のため。
「第2番」だけ、ピアノがティート・アプレアという人。このピア二ストも派手ではなく、いい演奏です。
http://www.murauchi.com/...

ブラームス・ヴァイオリン・ソナタ集:デ・ヴィート(Vl)・E. フィッシャー(Pf)

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anoano画像 投稿者:
anoano
詳細情報
  • メーカー: 東芝EMI
  • 価格: ¥1733(標準価格):¥2394(amazon)
  • 2010/04/26更新
  • 2010/04/26登録
  • 1552クリック

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コメント (2)

2010/05/02

もえぎ  演奏家の個性もさることながら、時代性というのか、音の潮流のようなものもありますよね。それにあらがうように求道的に自らのスタイルを確立しつつ演奏している姿を見ると、耳をそばだてます。私がよく聴いているCDは、パールマン&アシュケナージですが、http://www.kanshin.com/diary/1281241 この時のクレーメルの音は、軽やかで艶やかでたいへんしめやかなものでした。私の耳は、素人なので微妙な違いまでは拾えませんでしたが、とても心地良く、前席のおねえさんが居眠りしていたのも頷けました。年齢を重ねるとともに、大仰な演奏よりも禁欲的にさらりと枯れた演奏を好むようになった自分を発見したりしています。

anoano 本当にそうだと思います。ヴィートの演奏は、もえぎ様の仰るかつての音の潮流の、いわばスタンダードです。しかしスタンダードを“なぞる”だけでは新しい価値は創出されません。これは芸術全般に言えることではないでしょうか?クレーメルとティメルマンのブラームス!これは聴きたかったです。かつてアファナシエフとの非常に革新的なブラームスを聴いたことがあります。でも、こちらはもっと叙情的だったのでは? なぞと想像するのみです。さぞかし心地良かったんでしょうね。私ももえぎ様同様、あまり“チャカチャカ”したものは最近、どうも・・・・(笑。。コメントをどうも有難うございました。

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