味覚日乗
料理研究家・辰巳芳子さんのエッセイ。
春夏秋冬、庭先でふと目にした景色の変化が、そのまま台所に運ばれ、食卓に載せられる。「旬」を歓び、日々を美味しく、楽しく生きる……そんな息づかいが伝わってきて、とてもワクワクする。そして、辰巳さんのなんともいえない端正な語り口で、清々しい気分になる。
肩肘張らなくても、ほんの一手間を厭わず、「手しおにかける」。それだけで、食卓は豊かなものになる。そして、台所仕事もよりシンプルに合理的になる。ワタシのようなジャンクフード好きにはちょっと耳の痛い話も多いのだけど、読んで元気になる、そして何より役に立つ。四季折々、季節を確かめるように、引っ張り出しては何度も読み返したくなる、そんな一冊。
そろそろ来年の「お節」のことが気になって、この本をまた、手にとってみる。
「辰巳さんち」のお節は、「祝肴三種、お雑煮、お煮〆が主体」の実にシンプルなものらしい。
曰く、
「料理の本は、手を替え品を替えのお雑煮で飾っておりますが、家に伝わるものを、年毎に、とどこおりなく、清らかに、上達のあとをしのばせるて作るのは、平凡の中の非凡と申せましょう。祝肴三種も、煮〆も同様、一見なんの変哲もないようであって、年毎に、自分自身の成長を、そこに認められるようでありますように。毎年、同じものを、同じ器に盛り込む意味はそこにあるように思います」
自分の、そして家族の成長とともにあり続けるからこそ、家庭料理。辰巳さんは、母である辰巳浜子さんと5万1千回以上、食事をともにしたという。ワタシはいったいあと何回、家族と食事をともにするだろうか……。妻の手料理も、自分の下手の横好きも、もうちょっとちゃんと味わって食べたい。そんな思いを強くした。
このキーワードはコレクションに選ばれています(1)
- メイン
- コメント(0)
- つながり(9)
- トラックバック(0)
コメント (0)
まだコメントされていません。
つながりキーワード (9)
料理歳時記
- (春水)
辰巳浜子さんの料理と食材に関する随筆。 母からもらった古い文庫本だけれど、これがもうとってもとってもとっても、垂涎の本です。大好き。 食材と、手の込んだきちっとした料理に対する、母として、妻...
辰巳 浜子ー「つたえる」ことの名人
- (九作)
料理研究家の辰巳浜子さんの著書「娘につたえる私の味」。実家に無造作に置いてあった、この本には季節のお総菜の作り方がくわしく書かれています。料理本としても丁寧な記述で参考に...
辰巳芳子
- (むらさき)
食の大切さを再認識。この方の料理の本は読みごたえあり。
お雑煮
- (Himajin)
昔は地域によって作り方が大体決まっていたようですね。 今は入り乱れてきて お家によって 作り方様々と言われます。 当家は焼鰤(ブリ)が入ると言う並みのものです。 家内の...
お節料理
- (しゅるるん)
今年もだいぶ押し迫って参りました。 今年、初めておせち料理にチャレンジしようと思っています。昨年結婚したのだけれど、昨年末は病気を患い、お節どころじゃなかった。 今年はやるぞー!と意気込みは...
スローフード
- (key)
グルメに入れてしまっていいんだろうか。。。とりあえずいれておきます。 専業主婦のくせにしばーらく手間をかけた料理から遠ざかっていたのですが、キレイになるというか心に余裕がないとできないことだ...
にっぽん家事録
- (忍者ワタリ)
主に明治以降~現代までの「家事」にまつわるアレコレを、豊富なビジュアルと資料で振り返るMOOK。今年3月にリビングデザインセンターOZONEで行われた展覧会『日本人とすま...
お雑煮
- (あおき)
お正月のお約束ってことで、うちでは三が日は毎朝食が雑煮となります。昆布ダシに醤油+酒ベースのおつゆに、具は鶏と大根・にんじん・里芋など根菜類、そして菜っ葉もの少々。三日め...
昆布巻き
- (忍者ワタリ)
今年のお節は、妻が黒豆、なます、田作り、鶏の松風を、ワタシが昆布巻きを作りました。 中身は穴子(知り合い経由で寿司屋から入手)。手間(というより時間)はかかりますが、なか...







魔法の調味料「Sof...
炊飯器で作るからおい...
ごとうけい紙工作展2...
秋はキノコで炊き込み...

