おとなはうざい!
大人はウザイ! (ちくまプリマー新書)
著者の山脇さんは児童相談所の児童心理司で、この本の内容は、著者が多くの子供たちの相談に乗った経験をもとに「子供にウザいと思われない大人なるために」ということでしょう。タイトルはやや挑発的ですけれども、実は子どもの問題って、問題のある子どもだけの問題じゃないんだよ、ということで多くの大人、特に「自分には関係ない」ってすぐに思いたがる、“大人っぽい”人にこそ読んでもらいたい内容です。
第1章から3章までは、「親をウザいと思うとき」「教師をウザいと思うとき」「テレビや町で見かけるウザい大人」ということで、相談事例をプライバシーに配慮して再構成して取り上げ、それにコメントをつける、といったもの。子どもの言い分に加担しているふうに感じるのは、こちらがすでに大人の観点から抜けられないということかな、とも思えますが、この手の内容はすでに類書も多くありますので、急がれる方は、むしろ第4章の「ウザいと思われない大人って」の章を先に読んでもらいたいと思います。
子どもの問題を子どもの責任にしようとするのは、まさに大人の身勝手な理屈ですよね。大人が自分の都合のいいときだけ子供に偉そうにものを言って、子どもからのシグナルをちゃんと受け止めようとはしないということほど、子供が大人を「ウザい」と感じることはないでしょう。子どもから軽蔑されることが、一番子どもの成長に取ってよくないということですよね。
子どもから軽蔑されない大人になるために、ということで、親が子どもの将来のことを心配するあまり、今の生活を楽しんでいない。それが悪循環になっている。それを立ちきるため、子どものことを力で押さえつけるのではなく、まず指示や命令を減らし、その分大人が自分の生活を楽しむようにするようにしたらどうかという提案があります。すごく共感します。
作者自身も自分に「子どもの頃に会いたかった大人になろう」と日々言い聞かせているそうです。これ、大切な言葉ですよね。
- 商品名: 大人はウザイ! (ちくまプリマー新書)
- 価格: ¥798
- 著者: 山脇 由貴子
- 出版社: 筑摩書房
- 発売日: 2010-04-07
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- 2010/05/17登録
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コメント (2)
2010/05/17
chagale 「子供の頃に会いたかった大人」というのは確かに、そうかもしれませんが、子ども時代に会って良かった大人を上げていった方が、本当はそれぞれの人に具体的なイメージがあるのではないかしら。その人とウザイ大人との対比を見ていけば、見やすいことにならないのかな、などと思いました。
2010/05/18
wahei chagaleさん、いつも的確なコメント、ありがとうございます。いろいろ考えてみました。作者の言葉は、たぶん面談している子供に対してのメッセージで、具体的にどういう条件を持った大人というよりも、「大人である自分は、自分が子どもの時になりたかった大人になりたいと努力している(もちろんなれないことの方が多いけれど)」というメッセージを子供に伝えたいのじゃないかなと思い至りました。それはひとことで言うと「童心を失わない大人」でもあるし、深読みすると、大人といっても、子供と決定的に違うところはなにもない。それなのに大人は、何か子どもを別の生物、別の物体のように感じていないか、という著者の「大人観」があるかと思います。
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