プロミス
promises
「あといくつ『約束』すればいいのだろう。
世界を変えるためには。」
パレスチナ・イスラエル双方に住む子どもたちが監督の呼びかけによって一日を共に過ごす。
「アラブ人が殺しあうのはイスラエル人のせいだ、お前はそんな奴らと友達になりたいのか?」
「でもそれは、子どものせい?」
「子どもは必ず大人になる」
「ユダヤ人に私たちの境遇を説明したことがある?パレスチナ難民としての境遇を説明したことがある?一度もないわ、だから必要なのよアラブ人とユダヤ人は会うべきだわ」
これはこの映画の中の会話である。ここからもうかがえるように、子どもたちの考え方は日本の子どもたちが考えていることとは全くかけ離れていて、尚且つ政治的でまるで大人が考えるようなことなのだ。等身大の彼らが嘘偽り無く映像の中で真実を語る。知らないことが山ほどあった。
ラストは観る者によっては実に絶望的。
教育が重要、となるほど分かったことを誰かが言う。そんなんじゃない。教育以前に彼らは何かが欠けている。何かは分からない。ただそう感じた。
戦争を経験したことがなく、戦地から遠く離れたここ日本でいくら「非戦・平和的解決」を唱えたとしても、彼らの望む「平和」とは違うのだ。行き着くところは同じかもしれない。しかし、「戦争ごっこ」、「自爆テロごっこ」をする子どもたち、友達を早くに失う子どもたち、緊迫した状況の中で、絵を描いたり、『imagin』を歌って、そんな時間が「平和」だ、と言う子どもたち。
「平和」とはいったい何なんだろう?
普段軽々しく口にしている「平和」という言葉の重みが全身に重くのしかかった。
- 2003/01/16更新
- 2002/12/26登録
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コメント (6)
最新コメント5件
2003/01/20
Lucy 『プロミス』見てきました。この映画を見てからずーっとこの問題について考え続けています。
2003/01/23
mru 感想ありがとうございます。平和とは?実に難しい問いだと思います。いろんなwordが頭をよぎりました。でもどうしても答えというか最後に辿り着かなければならない肯定的なところに辿り着くことができないでいます。
個人的に印象に残ったのは双子と電話したパレスチナ人の少年(?)です。彼の言葉がやはり一番ギクリとしました。
2003/01/28
Lucy 「双子と電話したパレスチナ人の少年」パレスチナの難民キャンプで暮らしてた男の子ですね。確かファラジという名前だったと思う。彼は双子と会うことを最初は嫌がってたけど、彼らと会う当日、鏡の前で髪を整えコロンをつけておめかししてる様子にすごく心和むものを感じました(まるで女の子との初デートの時みたいに身なりを整えてたんですもの)。「彼の言葉がやはり一番ギクリとしました。」mamoru さんは具体的に彼のどういう言葉にギクリとなさったのですか?
2003/01/31
mru あの仕種には思わず微笑んでしまいました。ファラジ君の成長した姿には少し驚かされましたね。考え方もいろんな意味で成長していました。(ぼかしの表現ばっかりですね、スイマセン…)その最後の成長した彼の言及にギクリとしたというわけです。率直に言いますと、僕には「彼が自爆テロを起こすのでは」と危惧したんです。そのとき自然と涙が出ました。最後の場面で、ファラジ君は「どうにもならない」的な、諦めにも似た否定的な言葉を発しました。にもかかわらず、双子の話ではファラジ君からの一方的な電話のみで彼ら自身からは電話をかけない。つまり、「生まれた友情を大切にはするけれども、それで現状は打開できない、それに何の意味がある?」ということなのかなぁ、と。またこれらのことからこの映画の意義についても考えました。武力行使をせずに話し合いで解決することを世間は望んでいるのに、実際に話し合ったところで何が生まれたのでしょう。まぁ、首脳会談ではなく子ども会議ですけれど。はぁ。悔しいです。『穴の開いた封筒』のような僕でさえそう感じるのですから、ファラジ君はもっと突き詰めてくるはず。彼には道を踏み外さないでもらいたいと切に願います。そういえば今日か明日DVD化するみたいです。ああ、そんなときにテストなんて…。
2003/02/07
Lucy そう、確かにファラジ君は「世界は悪くなる一方だ」「こんな世の中で夢をかなえるのは不可能」と絶望的な言葉を吐きます。でも彼が「自爆テロ」に走るとは考え難いです。少なくとも彼は双子の彼らと知り合うことで「自爆テロ」のような殺し合いのバカらしさに気づいたはずだと思います。でももしかしたら私が見落としているところがあるかも知れないのでもう一度映画を見に行こうかと思ったのですが、都合がつきそうにないので、DVD を買ってもう一度見直してみようかと思っているところです。私はこの映画を見てから、パレスチナにはファラジ君やサナベルちゃん(パレスチナ難民の子供たちで集まったときイスラエルの双子にとにかく会ってみようと最初に言った女の子。画像の赤いTシャツを着た子)がいる、そしてイスラエルにはあの双子の男の子たちがいると具体的に考えるようになりました。しょっちゅう彼らの顔を思い浮かべては、ああ、どうぞ、今日も元気で無事でありますようにと思い続けています。アダルトチルドレンのような他の子たちのことも、彼らが子供だということを考えると本当に痛々しい(自由で呑気で想像力羽ばたく子供時代を完全に奪われてしまっているのですから)。彼らをあんな風にしてしまっているのは「大人」。もう、いいかげんにしてくれ!そう叫びたい気持ちです。それでも、やはり、実際に人と人とが顔をつきあわせて話し合うことには意義があると私は思いたい。少なくとも、彼ら子供たちが実際に会って一緒の時間を過ごしたことは絶対に意義のあることだったと私は思います。
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