暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで
『フェルマーの最終定理』の作者サイモン・シンの第二著作。内容は、題名通り、暗号について追ったもの。
いや、面白かった。イギリス・ビクトリア王朝時代のメアリー王女の悲劇に関する暗号から、第二次世界大戦のエニグマ、古文書の解読を通って、現在のRSA暗号、そして未来への量子暗号へたどり着く、これでもと言わんばかりの快著。言いたいところはいろいろあるけれど、特に好きだったのは、チャールズ・バベッジからアラン・チューリングに至るまでの、近代の暗号の箇所。もう、これでもかとばかりに現在のコンピュータの基礎を作り人物がきら星のごとく出てきます。チューリングのエピソードは泣きそうです。
それから、特筆の値するのが、世界初のコンピュータがENIACの開発から先駆けること数年、二次戦中にイギリス軍部の手によって開発されていたと言うこと。今では、全て廃棄されてしまっていて、証拠らしい証拠もないそうですが、これが本当なら一度、20世紀のコンピュータ史は書き換えられます。同じく、公開暗号鍵方式、並びにRSA暗号もこれまたイギリス軍部によって、先駆けて開発されていたらしく、軍部の機密にふれるため、開発時点で公開されることはなかったのことですが、本当に惜しい。
とにかく、久々に興奮しながら読んだ本でした。一般読み物の体裁は崩していないので、専門家でなくとも、十分に楽しめます。みなさん、是非とも、どうぞ。
- 発売元: 新潮社
- 原題: The Code Book -the Science of Security from Ancient Egypt to Quantum Cryptography
- 人名: サイモン・シン
- 2003/01/01登録
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