ケイオウザクラ
啓翁桜
十二月中旬から三月まで。
冬に咲く桜がある。
茶道や生花を嗜む方ならご存知だろうが、冬に咲く桜を玄関や床の間に飾って新春を寿ぐ習慣は、古くは江戸時代からの伝統でもある。
『啓翁桜』の由来は昭和四十年代、『支那桜桃桜』と『彼岸桜』の交配に初めて成功した吉永啓太郎の名前から一字を採ったと聞くが、一つの株から何本もの細い枝が真っ直ぐに伸びるその姿は清楚にして闊達。
現在は山形県がその最大の生産地で、酒田市や白鷹町などでも盛んに栽培されていると言う。
小さな蕾が暖かな部屋に置かれている間に一斉に花を咲かせ、やがて床の上に花弁を落として葉桜になるまで、この桜は観る人の心を和ませ続ける。
雪に咲く 紅もひとひら 初詣 涙風
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