さざんか・きゅう Kyu Sazanka
山茶花究
「山茶花究」が何者かご存知でクリックしたあなた、あなたの空間にはぜひ伺ってみたい。どんなキーワードを立てておられるかとても興味がある。「三井弘次」とどちらにしようかだいぶ迷ったのだが、最近「黒澤明 DVD-BOX 2」で「用心棒」を久しぶりに観て、「新田の丑寅」役の彼の面白さに強い印象を受けたので、こちらにした。「えつこ」さんがすでに登録されていたとも知らずに...
'14年生まれ(ほんとに寅年だ)。カジノ・フォーリイ、ロッパ一座を経て、川田義雄(のち晴久)脱退後の「あきれたぼういず」に加入。'30年代から映画出演を始めているが、芸能史的には「夫婦善哉」('55東宝)の「大学出の冷徹な養子」役で認められたとされている。以降、いわゆる「日本映画黄金時代」を通じて多数の作品に脇役として出演している。黒澤明の「悪い奴ほどよく眠る」('60東宝=黒澤プロ)、「用心棒」('61東宝=黒澤プロ)、「天国と地獄」('63東宝=黒澤プロ)や小津安二郎の「小早川家の秋」('61東宝)など巨匠と呼ばれる監督の作品において、短い登場時間であっても強い印象を残す演技を見せているほか、川島雄三の後期、ことに「女は二度生れる」('61大映東京)、「雁の寺」('62大映京都)、「しとやかな獣」('62大映東京)の大映三部作、増村保造作品などで重用されている。東宝の駅前シリーズほか各社のプログラム・ピクチュアにも多数出演しており、一般の映画観客にはむしろこちらのほうで認知されていたと思われる。'71年没。
山茶花究を知らない人にどのように彼の魅力を伝えることができるだろうか。彼は初老に達しても世を拗ねた不良くささを失わなかった。実直な職人の役を演じ、篤実そうな笑顔を浮かべても、眼つきの冷たい鋭さは完全には消えなかった。声はクルーナーとしての素質を伺わせるテノールの美声で、つまり親不孝声であった。若い頃には鋭さが勝ってコメディアンとしては決してプラスとはいえなかったこれらの特質が、中年を過ぎる頃から彼に冷たい色気を与えるもととなり、役者として大きな魅力が備わることとなった、と思える。彼はとても色っぽくて、そこがとても私は好きだ。それも彼と同年代の軽演劇役者が持っているようななごやかな「色街の色っぽさ」ではなくて、森雅之にも通じるような「非情な色っぽさ」である。彼と関わりの深かった森繁久彌は彼を評して「限界以上に親しくなろうとせぬ男」と述べている。
- 2003/01/10更新
- 2003/01/10登録
- 7134クリック
このキーワードを共有する
-
メイン
コメント (8)
最新コメント5件
2003/01/11
steward ボンボンの社長役って、どの映画でしょう?観たいです。えつこさんのサイト、伺おうとしたのですが、アクセスできませんでした。残念。また改めてトライしてみます。
えつこ いつものことながら山茶花さん出演はほんの数分のシーンなのですよ~。豊田四郎の「珍品堂主人」という映画です。
2003/01/13
さいもん 川島雄三作品でしか知りませんが、とにかくクールで色っぽい。つまり「眼つきの冷たい鋭さ」ですね。自分が映画監督をやることになったら、土下座してでも出演してほしい俳優ですね。故人だけど。
さいもん 川島雄三作品でしか知りませんが、とにかくクールで色っぽい。つまり「眼つきの冷たい鋭さ」ですね。自分が映画監督をやることになったら、土下座してでも出演してほしい俳優ですね。故人だけど。
さいもん 川島雄三作品でしか知りませんが、とにかくクールで色っぽい。つまり「眼つきの冷たい鋭さ」ですね。自分が映画監督をやることになったら、土下座してでも出演してほしい俳優ですね。故人だけど。
- すべてのコメント »
つながりキーワード (11)
盲獣
- (Kanna!)
この前テレビでやっていて、途中から観たけれど面白くて気にかかっていた昔の映画。 原作は江戸川乱歩と後で知って、だから文学的だったのね、と納得。 一緒に観ていたボーイフレン...
日活アクション
- (teppay)
日活アクションとは、1953(昭31)年5月の『太陽の季節』から1971(昭46)年8月のロマンポルノ制作への移行までの18年間に作られた広い意味でのアクション映画の事を...
天国と地獄
- (森)
(1963/日/143min) High and Low Tengoku to jigoku 監督 黒澤明 脚本 黒澤明 / 小国英雄 / 菊島隆三 / 久板栄二郎...
黒澤明監督 DVD BOX
- (Lucy)
黒澤明監督 DVD BOX THE MASTERWORKS 全3巻(23作品)のうち、Vol.1 (7作品8枚組)が02年10月25日より発売開始!おひょ~、すごいよ~...
あきれたぼういず
- (cage)
坊屋三郎が最後の生き残りオリジナルメンバーであった日本最高の伝説的ギャグ・バンド。 メンバーは川田義雄、坊屋三郎、その弟の芝利英(モーリス・シュヴァリエのもじり)、益田...
黒澤明: The Masterworks
- (ぬほりん)
待望の黒澤明監督作品がDVDで登場する。 最新デジタル技術を駆使した画質と音質で21作品を3部のボックスセットで発売だ。 メイキングや予告編など特典も豊富。 第1弾は10...
森繁久彌
- (えつこ)
森繁の良さがわかるようになって、はじめて大人といえるといったら言い過ぎか。(笑) 色気があってセンスがよくて調子がよくて気まぐれで 優しいけど冷たくて、面白いけどクールなの。
川島雄三
- (ひよ)
45歳で亡くなった映画監督です。1918年に青森県むつ市に生まれました。明治大学卒業後、松竹入社。そののち日活、東京映画に移籍。昭和38年まで「幕末太陽傳」「青べか物語」など、51本の映画を...
用心棒スチール写真全348
- (mojo)
「用心棒にもいろいろある。雇ったほうで用心しなけりゃならない用心棒だってある」 黒澤明監督の「用心棒」をフィルムからではなくスチールから構成したストーリーブック。 スチ...
川島雄三
- (さいもん)
日本映画界に燦然と輝く奇才中の奇才。 傑作時代劇『幕末太陽傳』が有名だが、 能をモチーフに一戸のアパートの中だけで展開するスタイリッシュの極み『しとやかな獣』や、 印象派...
山茶花究
- (えつこ)
日本映画史上、希有な魅力をもった脇役専門の俳優、コメディアン。 ヤクザも、社長も、若旦那も(最も得意とする役)、職人も、こなせない役がない。 必ずサザンカテイストにして見せてくれる。 サザン...







川島雄三
あきれたぼういず
盲獣


