Brad Mehldau
1970年フロリダ生まれ。このまま伸びればまちがいなくハービーやチック以上の存在になる。たぶんキースを追い掛けられる唯一のピアニスト。
ジョシュア・レッドマンの<ムード・スゥイング>を聴いているときに気になったのが最初。でもそのときはクレバーだけどおとなしい表現をするな、ぐらいしかわかりませんでした。しかし、メジャー・デビューとなる<introducing BRAD MEHLDAU>で彼の本当の可能性がはっきりと認識できました。
何といってもその独特のタイム感覚が強い個性を感じさせます。破たんしそうなくらいはみ出した?フレーズを弾くこともあるけど、破たんする直前で踏み止まっている確信犯。コイツ、わざとやってる。
もう一つの武器が、ダブル・ラインというか両手で別々の声部をインプロヴァイズする能力。まさにカウンター・ポイント的処理をリアルタイム処理してしまいます。これができるのは、インプロヴァイザーとしての彼の実力が掛け値なしにホンモノであることを示しています。
確かに荒削りな部分もあるけど、今の段階でそれを指摘するのはあまりにも愚かなのでそういう欠点は無視。
コイツが何かやったら要注意!置いていかれないうちにチェックしませう。
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2003/02/17
2/15(sat) at すみだトリフォニー のソロコンサートに行きました。
ソロ・ピアニストとしてのキャリアを最高のかたちでスタートできましたね。とにかく、あの種のソロコンサートで成功できる数少ないピアニストだということがはっきりと認識できました。冗談抜きでキースと比較することが許される唯一のアメリカ人ピアニストです。
前に発表されている作品群からもその傾向は読み取れたのですが、彼はとてもロマンティクなスタイルを持ったピアニストです。特にドイツ・ロマン派の影響を強く感じさせるという点において、ジャズ系ピアニストの中でかなり異色です。キースやビル・エヴァンスとはっきり異なるスタイルです。(こフ点は本当に要注意なのです。)
ダンパー・ペダルを多用し、時にはめいっぱい踏み込んで潤いのあるサウンドを基本的なトーンとしています。分厚いサウンドを好み、狭い領域に密集で音を配置するため、結果としてとてもロマンティクな印象を与えます。逆にいうと、サウンドの明確さが失われがちで内声のラインが不明確になりやすいのが残念といえば残念なのですが、トータルしてみるとこれも個性の範疇におさまるでしょう。
テンションなしのシンプルなトライアドを的確に用いていたことからも感じられますが、全体的にはとてもナイーヴな感性の持ち主であることが強く感じられました。キースにくらべて音楽自体の集中度が今一歩なのはしょうがないことなので今の段階では無視して、彼の繊細でナチュラルな音楽を堪能することにしましょう。
今後の活動に大きな期待を抱かせてくれた、すばらしいコンサートでした。
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