キース・ジャレット - トーキョー '96
Keith Jarrett Trio - TOKYO '96
1996年3月30日東京・渋谷東急文化村オーチャート・ホールでのライヴ録音。もともとはビデオ用に収録されたもののサンウンド・トラックらしい。
忘れもしないです。このときのコンサートには雅子さまとそのダンナ(笑)が来ました。ちゃんとアンコールまで聴いていったので、雅子さまのことを見直しました。あのひと、社交辞令ぢゃなくてホントにキースの音楽が好きなんだなぁと感じた一コマ。
...肝心の演奏はこのトリオにがある種の過渡期にさしかかり変化があわられていることを示している、ある意味で注目すべき記録。
このトリオが発揮していた驚異的な集中力に質的な変化があらわれ、一種のアソビのようなリラックスした雰囲気が溢れている。
最も驚いたのは「Autumn Leaves」でのこと。エンディングにはいると、何か別の旋律が...と、ここまではこのトリオではよくあることなのだが、そのときキースが弾いたのは「Whisper Not」のフレーズ。非常にレアなことだが、他の作品のフレーズを引用したのだ。そしてさらに、そのあとのキースが見せたちゃめっけのある笑顔。まだ慢性疲労症候群を煩う前のキースがこころから演奏を楽しんでいる様子がとてもよく伝わってくる。
他のトラックにおいても充実した演奏を展開しており、「モナ・リザ」など有名スタンダードがズラッと並んでいるのも楽しみの一つ。その中でも「Never Let Me Go」は三部作の頃とはまた異なった質を持った表現に達していて興味深い。
また、バップ・ナンバーも非常に好調で「John's Abbey」で見せた軽快で、かつ大胆な切れ味を持つ表現はこれまでのキース・トリオのバップ・ナンバーのプレイとはちょっと違う楽しさを持っている。血気盛んな若造にはちょっと真似できない演奏(笑)。
最後はキースお得意のイクステンションへと続いていく「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」。シリアスな表現の情感の深さはやはりこのトリオならでわのものだ。
- 2001/12/13更新
- 2001/12/13登録
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