ベルク - ヴァイオリン・コンチェルト
ベルク - ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」
現代音楽品の中でも最も美しい作品の一つにあげることができる。アルバン・ベルクが持つ才能が余すところなく発揮された名曲。
シェーンベルクとともに12音技法を駆使した作品によって知られているベルクであるが、シェーンベルクとはまた一味違った12音技法の用い方をすることで個性を発揮している。
12音技法というと無調で音の重力を感じさせない音の連なりをすぐに連想してしまうが、ベルクの作品における12音は何らかの調性を連想させるような配列になることが多く、この作曲家が本質的に持っているロマンティシズムを感じさせずにはおかない。
このヴァイオリン・コンチェルトはそのような調性的配列を持った12音が駆使された作品である。確かに19世紀の音楽とは一線を画した表情を見せる作品ではあるが、研ぎ澄まされた透明感を感じさせるリリシズムとともに、その奥底にはこの作曲家独特のロマンティシズムを強く感じさせる。
バッハのコラールの引用などが暗示するような表題音楽的側面も持っているが、ベルクの運命の数字と呼ばれる「23」を用いた数象徴に見られるロジカルな技法とロマンティシズムが高いレベルで融合し、技法を離れてもなおその音楽の美しさに圧倒される。
副題にある「ある天使」とは、マーラーの未亡人で後に建築家のグロピウスと再婚したアルマがグロピウスとのあいだにもうけた娘のことであるという。その少女マノン・グロピウスの死を悼んでそのレクイエムとして作曲されたのだが、この作品が完成した4ヶ月後に作曲者ベルク自身が亡くなってしまった。
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