ツィゴイネルワイゼン
ツィゴイネルワイゼン
監督:鈴木清順
プロデューサー:荒戸源次郎
脚本:田中陽造
撮影:永塚一栄
出演:原田芳雄、大谷直子、藤田敏八、大楠道代、樹木希林
「ツィゴイネルワイゼン」とは、サラサーテの曲。そのサラサーテ自身演奏のレコードから微かに聴こえる、録音中に紛れ込んだという声。そこへ執拗に惹かれたふたりの男。そして、そこから始まる奇妙な世界・・。
いきなりレコードが回り続けるシーン。冒頭の長くて空間の広がらない世界。未知の監督、未知の作品、未知なる演出。得体の知れない作品の「現れぶり」にしばらくの間、頭が真っ白になる思いでした。ゴダールの作品をみて感じるような、映画が視覚芸術であることを、日本の作品でここまで感じさせるものは初めて見たような気がします。抽象的な演出。物語が分からなくなるような、ギリギリのモンタージュではないでしょうか。映画空間のなかでは、監督のモンタージュが世界を認識する作業を代行しているのだとも思うので、自分の存在が不思議な感覚に包まれていきます。記号的な主題の配置、役者の「しぐさ」のコラージュ・・よく分からない印象は言葉になりません。
それでも主題的なものを上げるとすれば、生と死の世界を鮮やかな映像が行き来し、混ざり合い、反転させることでしょうか。「生」の世界だと思っていたものこそが「死」の世界であったり・・。美しさの先に存在するような恐怖感を感じました。他の作品も追ってみたいです。
- 2003/01/22登録
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