フリーペーパー(dictionary)
フリーペーパーが今、盛り上がっている。
会社でも、上司がフリーペーパーをこれから出す、あるいは今、出している所と積極的に商談していて、彼が言うには40万部発行ベースのフリーペーパーは関東圏だけで出回っているだけでも、相当なものらしく、今、一番元気がいいメディアの一つらしい。
そこで、僕が思い出したのが、今から5,6年前の高校生の時分に愛読していたフリーペーパー、dictionaryの存在だ。
桑原茂一氏のクラブキングから出されていたこのフリーペーパーは、当時起きた阪神大震災を独自の視点で捕らえて、ボランティア活動を企画したり、環境問題、代替療法から、最新のアートまでを網羅していた。
当時、地方都市の一高校生だった僕は本当に楽しみにしていたフリーペーパーで、中でも、印象深いのが毎回、様々なクリエーターやアーティストが400字のエッセイを書くコーナーだった中でも97年の10月号に掲載された、ファッションジャーナリストの平山景子氏の文章に引用されている、ジャン・ポール・ゴルティエの言葉は今でも、勇気付けられ、ここ一番の時にはボロボロになったこの号を引っ張り出して目を通している。他の号は捨ててしまったが、この号だけは、なんだかんだで、今も本棚の隅に収まっている。(尤も、今は平山氏のページをコピーして、コルクボードに貼り付けているが。)
さて、今出ている色んなフリーペーパーには、この97年10月号のように6年経っても輝きを放つことのできるコンテンツがあるだろうかと思うと、首を傾げざるを得ない。
クーポンと広告とローカル情報、ライフスタイルの提案ばかりで、電車の中で読んで、クーポンをちぎって、着いた駅でゴミ箱行き、のような事が当たり前になっている。最も、Dictionaryも毎回毎回、面白かったかといえばそうでなかったのだけれども、それでも時に、どんな紙媒体にも載らないような記事があった。
インスタント性だけのフリーペーパーも、これだけ似たり寄ったりで集まるとさすがに辟易してくるし、例え、フリーペーパーについて回る広告収入の問題があるにしても。フリーペーパーとしての可能性は他にもあるのではないのかと思うのだ。
いつのまにか、疎遠になっていたが、空間に登録するに当たり、クラブキングのサイトを覗いてみたら、まだまだ発行されているらしい。webの登場により、紙媒体は従来からの方向転換を迫られ続けている。僕が読んでいた頃のDictionaryはまだインターネットがそれほど普及していなかった頃(ネットスケープがそれこそ、3とかだった)であり、今のDicionaryがどうなっているか、とても関心がある。
そこから、フリーペーパーの方向性や価値観を検証できるような気がするのだから。
追記:
ちなみに上記の上司に聞いたところ、フリーペーパー20万部を刷ろうと思ったら、紙質にもよりけりだが、彼が手掛けるフリーペーパーは、カラーかつページ数もそこそこあるのでを使うので、1号につき、2000万円のコストが、トータルでかかるらしい。
さらに、彼はフリーペーパーのブームは長続きしないと、断言していて、広告収入が、収入元の全て(もしくはほとんど)のフリーペーパーが膨大に増えても、比例して広告を出してくれる店や企業が増えるわけではなく、最終的には広告を出してくれる所の奪いあいみたいな状況が考えられるし、十分な広告収入が得られずに、赤字を重ねる可能性もあるからだそうだ。
ちなみに目安になるかどうか解らないが、多分、最も知名度が高いであろう、リクルートのホットペッパーの年間広告収入は14億円。
んー、なるほど。ここらへんに、値段の有無の大きな違いを感じる。
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