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娘と私

獅子文六の自伝。
昭和28~31年に『主婦の友』に連載された。

この人は基本的に自分のことを(そのまま)書くということをしなかった人で、
自伝的作品というのは、これと『父の乳』という作品だけのようです。
名称以外はほとんど変えていないと思われ、
読んでいて、あまり「小説」という感じはしません。

娘を育ててくれた二人目の奥さんへの
感謝の気持ちを込めて書かれています。
過去を美化しすぎることなく、かといって露悪に走ることもなく、
いい作品だと思います。

話は一人娘が生まれるところから始まり、
どこで終わるかは・・・書かない方が読むときに楽しみでしょう。
「この人この先どうなっちゃうんだ~」という感じが続き、
読んでて退屈しません。

そして、この文章。
非常に読みやすいです。
勿体ぶったところ、思わせぶりなところ、カッコつけたところ、
わけわかんないところ、そういうのはゼロです。
たいへん好感持てます。
文章の手本として教科書で採用すべき(笑)。

で、この作品はNHKの朝ドラの第1回作品の原作なのです。
ビックリ!
(放映1961年4月~62年3月)
獅子文六が当時メジャーな存在だったのがわかります。

どっかの出版社で復刊してほしい。


『娘と私』
新潮文庫 1981年
大活字本(上・中・下) 埼玉福祉会 1991年

娘と私

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