北野武による「たけし」
KITANO par KITANO
北野武とは何者か。
フランス人記者が、時間をかけて聴き取った、日本の笑いの王様であり、海外で評価の高い映画製作人のモノローグ。
長年の謎であった、たけしはなぜ、映画を撮り続けるのか。
自己満足?、内外の評価のギャップへの不満。
あのテレビで見せる悪ガキがそのまま大人になったような人柄と、対照的なまでの繊細なものへのこだわり。
それらの疑問に、少し答えてくれそうな含羞が、ここに、並んでいる。
誰でもご存知の、テレビ界の「殿」は、なぜこうなったのか。フランス人から見て、最も興味をひくエトランゼのことは、日本人は皆、昔から知っているような顔をして、何も答えてくれない。
ずっと封印され、タブーになっている笑いの王者の過去。1986年12月のフライデー誌編集部襲撃事件と、1994年のミニバイクでガードレール激突事故のことも割かれている。
この2つは、ビートたけしから、北野武に転身するまでの大きな蹉跌であった。今のたけししか、知らない人は知っておいて欲しい。
だが、芸能界に復帰不可能な大事件2つ冒しても、たけしは今もテレビの中で1番オモシロい人物である印象は変わらない。
映画のあと、後半から最後にかけては、今の日本に対することが多く書かれている。
政治、社会。そして暴力と、弱き者、虐げられている者への思い。
富も世間の評価が最もある人物が、なぜそこに思いがいくのか。
外国の友人らと話になると、今の日本の出口の無さに、どうしても行き当たるらしい。
30年の間に成功をつかんだ男が、これほど内省的なのも、今の日本を象徴しているように、思いました。
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