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日本辺境論 内田樹

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 2010年新書大賞だそうな。
 話の枕はフレンドリーでユルくても、内容には一行たりとも無駄がない。圧倒的な密度と読みやすさの奇跡の両立に、めまいを覚えつつ、気が付くと最後のページまでたどり着いている、そしてもう一度初めから読みたくなる・・・。まあ内田さんの本全てに当てはまることですが、この辺境論も期待にたがわず、すごい本でした。

 日本人の置かれた地理誌的、文化史的特性(=辺境性)を、日本文化論・近代史・九条論争から浮かび上がらせ、その辺境性が生み出す学(まなび)の長所・短所を概観、現代日本において失われつつある学びの姿勢を嘆きつつ(おなじみの張良のネタを引用してます。余談ですがウチダ先生の最重要著作を一つあげるとすると、教育について書かれた”先生はえらい"になると思います。張良の故事から学びのダイナミズムを説き起こしていくシーン!は何度読んでも鳥肌モノです。これが中高生対象の新しい新書シリーズの一冊であることが素晴らしい。私も若い時に読んでみたかった・・・。)、その短所でもある緊張感・切迫性の欠如を乗り越えるヒントを、またまたお馴染みの武道をネタに提示する。おまけに(失礼!)日本語の特性を政治家のディベート・漫画・などをネタに鮮やかに開示・・・。
 ここまでが新書サイズの分量でたったの250ページ。うっかり斜め読みしたらひどい消化不良を起こします。ホンとに・・。
 それにしても本文中に出てくるカント・ハイデガー・ヘーゲルの学びにおける人間観の不自由なこと・・。私は”狐”ですから、お歴々の該当文書をきちんと読んでいるわけもなく、ウチダ虎の衣を借りるしかありませんが、われわれの学びはもう少し自由・可能性を秘めているのではと(ウチダ先生でなくとも)言いたくなりますね。
 辺境人の特性を享受しつつ、次回作の”機の時間論”を楽しみに待ちたいと思います。
 ウチダ先生いつも楽しい時間をありがとう!!

 おまけ
 受賞記念講演も聞けます
 http://www.chuko.co.jp/special/...



日本辺境論 内田樹

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