メイド/ウチダヒャッケン
冥途/内田百間
以前、金井田英津子さん画による「冥途」(パロル舎)を目にした時からちょっと気になってはいたのですが、ちょうど僕の好きなクラフト・エヴィング商会の新刊のそばにちくま文庫から出たばかりの「冥途」(内田百間集成3)があったので、何気なく手にしてみたらはまってしまって...。まさに僕の大好きな夢とうつつが混ざり合った物語のオンパレードで、何で今まで知らなかったのか不思議です。見知らぬ女に知らない場所に連れて行かれたり、真っ白な子供がころころ転がって来たり、過ってそれを踏み潰しちゃったり、気付いたら「件(くだん)」という化け物になってたり、異界の者や猛獣に襲われたり、逆に鳥や魚に癒されたり。恐怖と不安と残虐と甘美が混ぜこぜになっていて、かなり風変わりです。黒澤明監督の「まあだだよ」からは想像がつきません。(と言ってもほんの触りしか見たことはないのですが)でも借金取りに追われた話や昔の恋人の今わの際を描いた現実的なものも有って、しみじみとさせられたりもしました。実は随筆とかそっちの方が多いみたいです。でもこれから百間先生が僕のお気に入りになることは間違いないでしょう。次の内田百間集成4は「サラサーテの盤」です。鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」がこれを元にしていると知って、すごく興味を持ちました。まだ見ていないのですがビデオで持っているので、読んだ後比べたりできたら面白いかなと思います。
- 人名: 内田百間 (1889ー1971)
- 発売元: ちくま文庫
- 年(代): 2002年12月発行
- 価格: ¥1050
- 2003/02/04更新
- 2003/02/03登録
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