ロングヘアードレイディ
Long-haired Lady
サザンオールスターズ「Kamakura」に収録。
最後から2曲目、サラっとかかってサラっと終わる。
サザンのいい所は、何言ってるかわかんない実験的な(?)曲とキメキメの浪花節の間に、こういう、肩の力の抜けた切ない曲を仕込んでくるところ、だった。
大学4年の秋、ひとりで勝手に留年することを決めたボクは、研究室の女の子を誘って海の中道に出かけた。彼女の黒いアルトはやたらとワックスがかかっていた。彼女はボクの友達と付き合っていて、そこそこうまく行っているように見えた。でもボクは彼女と寝た。海辺のホテルの2階の湿っぽい部屋で、窓の外の白い波を見てぼんやりしていると、有線で、ニーノロータの「ロミオとジュリエット」がかかった。「あ、この曲、好きよ」向こうで彼女が立ったまま長い髪を直しているのが見えた。ボクはそのまま、声をあげて、泣き出してしまった。
…そんな、ありもしない偽の記憶を、植え付けられてしまうような曲だ。
アルバム「Kamakura」は、桑田佳祐が29歳のときに発売されたことになる。この後、Kuwata Band (ということは、あれは、30歳だったのだ)ソロ活動を遍歴し、ボクにとってサザンは徐々に縁遠いものになっていった。
今、こういう曲、やってるのかなぁ。
32だと16進数でハタチですよという、くだらない言い訳ができるのも、実際にその歳になってしまうまでのことだ。
あとちょっと。
その間、枕元でこの曲をかけてうとうとさせてほしい。
▼
…ああ、誰か、私に乗り移ったかのようだ…
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写真は、茅ヶ崎パシフィックホテルあらためパシフィックガーデン、だそうです。
- 2003/02/04更新
- 2003/02/03登録
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