ボヌール・デ・ダム百貨店
19世紀半ばのパリ。そこにひとりの貧しい身なりの少女が降り立った。やがて少女は、光輝くような百貨店で、凄まじい苦労をしながらもサクセスストーリーを築くことになる。もっとも、あくまでも主人公は巨大百貨店なのだけども。
熱に浮かされたように買い物に走るご婦人方。
青ざめる亭主連中。
巨大資本の前に絶望的な戦いを強いられる小売店。
大量生産・大量消費の前に居所をなくしていく職人。
某電器店などを連想させるような熾烈な価格競争。
そして百貨店で働く売り子たちもリストラの嵐に絶えず怯えている。
ゾラというと、窮乏・アル中・自堕落・破滅と鬱になる結末のものがほとんどだが、この作品は、ゾラがライフワークとしたルーゴン・マッカール叢書中唯一のハッピーエンドらしい(20作品中19がアンハッピーな暗さはどうにかならんのかという指摘もあり・笑)。
資本主義社会の本格的な幕開けを描ききったという意味で、とても興味深い小説である。
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