つついやすたか・ぜんまんが
筒井康隆全漫画
筒井康隆は絵もうまい。どれくらい上手いかというと、野坂昭如の歌ぐらいうまいのである。あっはっは。言い得て妙!と思ったら本人もそう言っている。けしてパクってなんてないぞ。
つまるところ、野坂が戦前歌謡のスピリットでうたえば、その勘違いが微妙なグルーヴをば生じ「あれ?下手に聞こえるけどほんとーは格好いいんでは?」と思わせるのと同じく、筒井さんの漫画は「のらくろ」の如きギコチない描線とデッサンの狂いによってあたかも個性的な漫画と映ってしまうんである。たぶん。
そんな筒井漫画が堪能できるのは、例えば「傷ついたのは誰の心」(原作は短編集「笑うな」に収録)エビスヨシカズのような話ともあいまって読む方まで情けなくなる...。「筒井漫画涜本」で、まさに蛭子さんがこれを漫画化しているけど、こっちのほうがいいなぁ。そういえば吾妻ひでおが「不条理日記」にも引用してた。
他には山上たつひこも描いていた「アフリカの爆弾」。それから描きっぱなしの決闘シーンが凄惨な「ワイド仇討」。ストーリーものでは唯一原作無しだった「急流」(時間が流れ落ちる!衝撃のラストが投げやりで最高)あたりがおすすめ。
これらのツツイ漫画は「筒井康隆全漫画」(奇想天外社)という本で読むことができる。 過不足あるけど晶文社から出ている「暗黒世界のオデッセイ」にも入ってるので、手に入りやすいほうでどうぞ。
筒井康隆HP
http://www.jali.or.jp/tti/index.html
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