しぎとくがわいえやすじせき
史疑 徳川家康事蹟
歴史を語るものに奇書は多い。それは要するに「真実」を巡るものだからだろう。
村岡素一郎『史疑徳川家康事蹟』の主張は、簡単に述べれば次のようになる。つまり、のちに江戸幕府を開いた徳川家康は、今川家に人質にとられた松平竹千代とも、今川義元の元で働いた青年武将松平元康とも別人であり、願人坊主とささら者の娘との間にできた私生児がその人である。この私生児は成り上がり、やがて松平元康を暗殺し、これに代わって岡崎城主となって歴史に登場し、織田信長と清洲同盟をとりむすび、「徳川家康」となっていく。
どこかで一度は聞いたことのある、「おだやかならぬ」家康の「出生譚」。熱狂的に迎えられた『史疑徳川家康事蹟』は、しかし再販されることはなかった。時の権力中枢にも多く人を配していた旧幕出身者からの圧力であると人々は噂した。しかし、その主張は幾たびも作家たちに取り上げられ編曲されて、繰り返し語られていく(白土三平『カムイ伝』もそのひとつだろう)。「勝った者が書いた歴史」の下にはいつも、その権力を覆せるような「真実」が埋まっている、と信じられつつ。
徳富蘇峰が主宰の民友社が発行されていたものが、礫川全次の現代語訳付きで、批評社から復刻(2000年)。
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- 村岡素一郎(著)
- 民友社→批評社
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- 商品名: 史疑 徳川家康事蹟
- 価格: ¥1,575
- 著者: 村岡 素一郎
- 出版社: 批評社
- 発売日: 2000-04
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- 2007/08/30更新
- 2003/02/07登録
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