とらのゆめ
淡々と無表情で歩いていくトラ。
その背景はまるで、ダリのよう。
トラは、丸くなったり、木にぶら下がったり、
ただわき目もふらず歩いたり、迷路を歩いたり。
ページを進めても、脈絡は無い。
なぜって、それは、色付きの夢だから。
音も、温度も、湿度も生々しいものは
何一つ感じられなかった。
ふわふわした浮遊感、さらさらした肌触り。
無情な時間の流れにも似た「何か」。
読んで得たことは、言葉にならない「何か」。
全く持って説明がつかない。
いや、もしかしたら、何も無いのかもしれない。
でも、無い、ということを得たのか。
しかし、無い、という気付きを得たのか。
ただひとつ、確実に言える事は、
とらとの時間の共有がここにある、ということだけ。
これが子ども向け絵本だなんてもったいない。
子どもたちは感想を述べるべく、
いったいどんな言葉を並べるのか。
ひたすらにシュール。
この本は22歳の誕生日に自分に向けて買ったプレゼント。
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