ホソマヒロミチ
細馬宏通
ぼくは文字をたくさん読む生活をしている。
電車の吊り広告から2ちゃんねるの書きこみまで、いわゆる「活字」の範疇には入らないだろうジャンルも含めて、やたらに読んでいる。
本をつくるのが仕事だからってわけじゃなくて、たぶん少し病気なんだろうと思う。
「鋭いトコついてるよなあ」と感心することや、「こいつはどうしようもねえな」と腹が立ったりすることは日常茶飯事。
「このフレーズは応用可能!いただき!」とニンマリすることも、よくある。
自分のものの考え方・感じ方がゆらいでしまうような、しかしそれでいて「こんなふうにものを考えられたら」と思う瞬間。
これは、そう頻繁にあるわけじゃない。
崇拝?尊敬?
うーん、そういうのとはちょっとちがう。
論理の筋道をたどりながら、あるいは文章のリズムに
身をまかせながら読んでいる最中の充実感。
「すごいすごい」と興奮しながら読み終えたあとにおぼえる、「自分はこれをホントに理解できてるのか」という不安。
これらがないまぜになって、「もう一度読んでみよう」「この人が書いたほかのものを読んでみよう」というアクションがうまれる。
『論語』だったり、柳田國男だったり、ダンテ・アリギエリだったり、読み手によって対象はいろいろありうる。
でも、体験の質としては同じ…のような気がするんだけれど、どうだろう。
前置きのつもりが、なんだがわけわかんなくなった。
細馬さんの文章を読むことは、古典を読むという体験に少し似ているということがいいたかった。
ウェブサイトをちょっとのぞくだけでも、魅力の一端は感じとってもらえると思う。
取り上げられている話題の広さ・深さに驚くのもいいだろうし、「世界に対する感覚」の鋭さに驚くのもいいだろう。
暴走しかけるアイデアを手なずけながら、ときにボケとツッコミを一人でこなしながらつづっていく文章術に感心するのもまたよし。
正直いうと、専門領域(コミュニケーション論)をめぐって書かれたものは、理解が追いつかないところも多い。
でも、「この人のように考えられたら/書けたら」と思わせる、希有な書き手であることは間違いない。
『浅草十二階』以後、活躍の舞台をじわじわ広げている印象の細馬さん。
『ためらいの倫理学』を出したころの内田樹さんと、けっこう似たポジションにいる気もする。
世の編集者諸君!
原稿を頼むなら今だよ今。
(残念ながら、ぼくの担当してるジャンルは畑ちがいなんだよなあ。)
ちなみに、やわらかい、なつかしい感じのする大阪弁をしゃべらはります。
- 2003/05/25更新
- 2003/02/16登録
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コメント (6)
最新コメント5件
2003/02/17
Gentoo ステレオ(立体視)者として存じております。いちどお話をしたことがあるのですが、こっちまで頭が良くなったような気にさせてくれるかたでした(ピンポンをうまい人とやると、こっちまで上手くなった気になるのと一緒)。
2003/05/25
島崎丈太 リンクを貰ってちょっと覗いたんですが面白そうな人ですね。 興味も広そう。 日記に書いてらっしゃる話題等が非常にツボ嵌まる・・・
島崎丈太 コミュニケーション論はオフィス管理者としての私の大きなテーマの一つなので、そういう視点からも細馬さんのページをもっと読んでみたいものだと思います。
ちあき オフィス管理…キチンとやろうとするととんでもなくたいへんな仕事ではないですか。
当方、自分の机の上すら管理できてません…。
島崎丈太 そういう私も机の上の整理整頓、下手糞なんですが。 ネット上の空間と物理空間の微妙なインターフェース部分に非常に興味があるのです。
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