おどるしばしん
踊るシヴァ神
それは高校生の頃だった。
世界史が大好きだった私は嘘ばっかり教える社会の先生の授業は、ほぼ、ほったらかしで、独自にノート作ったりしていたのですよ。
そんなある授業中だった。
古代インドのあたりを勉強中に某山○出版社の「世界史資料集」だったと思うが、それを捲っていたら27ページ目になにやら怪しい写真を発見する。
その名も「踊るシヴァ神」。
インドのヒンドゥ教の神様だ。
片足を上げて4本の腕を使って巧みに踊る様子の彫刻(だったか、青銅製の像だったか、うろ覚えだが)。
女子高生には何やら、その奇怪なポーズやら、ネーミングが可笑しくて可笑しくてたまらなかった。
近くの席のコに「ねえ、ねえ、27ページ見てみてよ」と話し掛ける。
27ページを開けて、右上に「踊るシヴァ神」。
その「27ページを見よ」のメッセージは伝染してゆく。
もう、何人もがそれを見てはくすくすと笑う。
しばらく仲間内では「踊るシヴァ神」という言葉だけで笑いがもれたものだった。
そんなことを不意に思い出したのは今日見た「世界遺産」のエローラ石窟院のせいだ。
エローラ石窟院には仏教、ヒンドゥ教、ジャイナ教と3つの宗教建築が存在している。
いや、正確には「建築」ではない。
エローラは岩盤を削り、彫り出し作った巨大な「彫刻」であるのだ。
その石窟群の中で一番多いのはヒンドゥ教のもの。
その中にあったのだ、踊るシヴァ神が。
私の記憶にあるシヴァ神のポーズはあの○川出版の資料集で見たポーズひとつのみだったが、ここでは何種類ものシヴァ神が見られた。
女子高生にとっては、可笑しくてたまらなかったあの「踊るシヴァ神」の踊りは、宇宙観やら、時間やら、様々な哲学的な意味があったのだ。
あまり難しいことは分からないが、(年だけは)大人になった私がエローラ石窟院の「シヴァ神の踊り」を見て思ったのは、エロティックだなあということと、踊りに宇宙観やら哲学を組み込むとは、やっぱりインドって凄いのかもしれない、ということだった。
ううむ、奥が深いな、ヒンドゥ教。
(画像が無いのはお許しあれ。)
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