関心空間はブックのクチコミも満載!

新着

... もっとみる
ログイン | ユーザー登録(無料)

ジンセイ ニ ヒツヨウナ テツガク 50

人生に必要な哲学50 (知ってる?シリーズ)

  • 人生に必要な哲学50 (知ってる?シリーズ)の画像

NHK教育TVで放映された「ハーバード白熱教室」の影響だと思うのだが、うちのカミサンが、ボクの書架から、マイケル・サンデル著の『これからの「正義」の話をしよう』を持ち出して読み始めたらしい。

「…らしい」というのは、ボクが出張中に、電話とメールでそのことを知ったからだ。

出張から帰って、その感想を聞いてみると、カミサン曰く、
「言ってることは、個々のテーマとしては理解できるが、それが哲学の学説史の中でどう位置づけられるのかが、判りづらい講義だね」
…とのこと。

同じ感想(疑問)を、出張先(仕事先)の若いスタッフからも聞かされた。

議論しようとしているテーマは、わかりやすい事例(コンテンツ)から取り上げているが、議論の前提となる哲学史(学説史)等の概要(コンテキスト)を把握していないと、解り辛いというのだ。

さらに、白熱教室だけを見ると、「講義」ではなく、「大教室での演習(ゼミ)」のようだとの感想だった。
また、サンデル氏は「教授」としてよりも「ファシリテーター」としての振る舞いが卓越だ…とも。

ハーバード大学の実態は知らないが、哲学の学説史についての「原書講読」や「哲学概論」のような「講義」形式のカリキュラムは別途用意されているのではないだろうか…。(…と思うのは、ワタシだけ?)

ちなみに、うちのカミサンも仕事先の若者も、学歴は、いわゆる「理系」のヒトだ。


そこで、哲学の初学者向けの参考書として、本書(本キーワード)を件(くだん)の二人に紹介した。

畢竟、この二人には好評だった。
『これからの「正義」の話をしよう』より、こちらを先に読んでいたら、サンデル教授が展開している具体的な事例と命題の本質や背景が、もう少しすんなりと理解できたかも…との由。

ちなみに、Amazon.comで「この商品を買った人はこんな商品も買っています」を見ると…、
『人生に必要な哲学50』を買った人は、『これからの「正義」の話をしよう』も買っているようだ。

…が、
『これから「正義」の話をしよう』を買った人は、『人生に必要な哲学50』には興味を示していないか、またはその存在を知らないようだ。





本書の目次は以下のとおり。

●知識の問題
01 《水槽の脳》 もし自分の脳が水槽の中にあるとしたら?
02 《プラトンの洞窟》 自分が洞窟の中で物事を見ているとすると?
03 《知覚のベール》 外部は観察可能?
04 《コギト・エルゴ・スム》 全てを偽と疑ったとき、真はどこに?
05 《理性と経験》 私たちはどうやって知識を獲得する?
06 《知識の3条件》 知識とは何なのか?

●心の問題
07 《心身問題》 心と身体は一体化しているのか別なのか?
08 《コウモリであるとはどのようなことか?》 私がコウモリの知覚を持ったとすると?
09 《チューリングテスト》 コンピュータに心が?
10 《テーセウスの船》 脳が交換されたら、私は私なのか?
11 《他我》 私たちの心は同じ?

●倫理の問題
12 《ヒュームのギロチン》 「である」から「べき」を導けるか?
13 《ある人の食べ物は…》 他人に寛容になることができる?
14 《神の命令説》 善が善である理由は?
15 《ブー/フレー説》 道徳的判断は、情緒的に行われているのか?
16 《目的と手段》 命を救うための適切な判断は?
17 《経験機械》 喜びを経験できる機械があるとしたら?
18 《定言命法》 うそおをつくことは許されるか?
19 《黄金律》 差別などあるべきではないが…
20 《作為と不作為》 救助隊の人名判断は?
21 《すべり坂》 もし安楽死を認めると、次にくる状況は?
22 《義務を越えて》 理想的行動は必要なのか?
23 《不運なのは悪いことか?》 酒酔い運転での事故ではあるが…
24 《徳倫理学》 より良い生き方とは?

●動物の権利
25 《動物と心》 動物は痛みを感じるか?
26 《動物と権利》 動物に権利はあるか?

●論理と意味
27 《論証の形式》 自分の考えを正しく組み立てるには?
28 《床屋のパラドックス》 床屋は自分のひげをそる人?そらない人?
29 《ギャンブラーの誤謬》 次に出るのは赤か?黒か?
30 《砂山のパラドックス》 いくつ砂粒があったら砂山になるのか?
31 《フランス国王は禿げである》 禿げの真偽は?
32 《箱の中のカブトムシ》 言葉の共有とは?

●科学の問題
33 《科学と疑似科学》 本物の科学とは?
34 《パラダイムシフト》 科学の発展には飛躍(パラダイムシフト)が必要?
35 《オッカムの剃刀》 仮説が2つ以上あるときの選択基準は?

●美学の問題
36 《芸術》 芸術とは何か?
37 《意図音の誤謬》 作品の意味と作者の意図は関係ないのか?

●宗教の問題
38 《デザインの論証(目的論的証明)》 自然の事物の精巧さには、設計者がいるのか? 
39 《宇宙論的証明》 なぜ宇宙が存在するのか?
40 《存在論的証明》 想像できる最高のものは、存在するのか?
41 《悪の問題》 なぜ神は悪いことが起こるのを許すのか?
42 《自由意志による弁護論》 私たちの選択は本当に自由なのか?
43 《信仰と理性》 信仰と理性は相容れないものなのか?

●政治、正義、社会
44 《積極的自由と消極的自由》 自由なのに自由ではない?
45 《格差原理》 不平等が容認されるのはどのような場合か?
46 《リヴァイアサン》 人々に長期的利益をもたらすためには?
47 《囚人のジレンマ》 最善の戦略は、協力か?裏切りか?
48 《刑罰論》 刑罰は本当に必要なのか?
49 《救命ボート地球号》 救命ボートで誰を助ける?
50 《正しい戦争》 正しい戦争があるのか?



原著者は、オクスフォード大学出版局で、子供向けの参考図書を担当し、20年以上に渡って、難解な思想を一般読者のために解説してきたという。

本書では、50のChapter(キーワード)について、ページ下部にTimelineを設けて、年代別の関連性を図示することで、学説史のアウトライン説明を補完している。

なお訳書では、原文に加えて、より分かりやすくするためのタイトルやまとめの一言に独自の編集をしている。原書と読み比べたわけではないが、入門書という性格を考慮すれば否定すべきことではないように思える。



人生に必要な哲学50 (知ってる?シリーズ)

このページに
携帯でアクセス

2次元バーコード対応の携帯で読み取ってください

ネコまいける画像 投稿者:
ネコまいける
Amazon詳細情報 毎日更新
  • 商品名: 人生に必要な哲学50 (知ってる?シリーズ)
  • 価格: ¥2,100
  • 著者: ベン デュプレ
  • 出版社: 近代科学社
  • 発売日: 2009-12
  • 詳細をみる
  • 2010/10/10登録
  • 5314クリック

このキーワードを共有する

このキーワードはコレクションに選ばれています(1)

コメント (0)

まだコメントされていません。

つながりキーワード (388)

本書(本KW)のサブタイトルでもある「コロンビア大学ビジネススクール特別講義」が「コロンビア白熱教室」としてNHK教育TVで放送される。 放送は、NHK Eテレで201...

高校の頃、あんまり好きじゃなかった先生が、「『存在と時間』って本があるんだけどね、いやー、僕も気取って読んだんだけど、全然、分からなかったー」と授業中の雑談で言っていた。...

昨日(2011年10月04日火曜日)の朝日新聞「今日のサンヤツ」で本書(本KW)の広告を見つけた。 実に50年ぶりの復刊となる『出世をしない秘訣―すばらしきエゴイズム』...

書店で、帯の「まもなく死というものがない時代がくる」というキャッチに惹かれて購入。 写真のような、イラストのような、きれいな画像と数行のポエムが綴られた癒し本。 著者...

ブック哲学の東北

  • (菅原洋一)

東北で暮らしてる間は、こそばゆくて 読みませんでした。 西に来て初めて、猛烈に渇望したのは、 第1冊が『奥の細道』でした。 芭蕉をのどが涸れるような猛烈さで 恋しいと思ったことはありません...

私たちが言語をもつのではなく、 言語が私たちをもつ。 ーーー ハイデガー(『哲学の歴史』第10章374頁) 恩寵は自然を破壊せず、 完成する  ーーー トマス・ア...

朝日新聞 2010年10月17日に掲載された 斎藤環(精神科医)氏の書評を読んで、本書を知った。 全三部から成る医療現場の呟きである。 第一部は、著者が臨床で直面した...

フランス中世のモラリスト、モンテーニュ著。人生残りの半生をかけて読んでいこうと考えてます。なかなかこの書は、読み応えがあって、正直、ぜんぜん読み進んでおりません。相当な厄...

時間は実在するのか、そうではないのか、形而上学的な話題からその問題に答えようと丁寧に記述されています。私が工学という極めて現実的な問題を扱う立場の側にいるからなのか、哲学...

 昔から気になっていた一冊だが、ついに手にとって読み始めたのはエリック・ホッファの自伝で言及されたからだった。  “クオリティ”の定義を求める修辞学的・哲学的探求から、精...

作者のフランス人レオポール・ショヴォよりも、本邦では山本夏彦の翻訳の評価が絶大、な絵本(?)。 若い頃ピラミッドが建てられるのを見たというほど年老いた鰐。孫を食べてしま...

 「私の中のあなた」を観てみました。 これは、連れと一緒に観なくて正解だったかも… 最初から、ぼろぼろ泣いてしまった…(汗)  よく在る難病ものかと思いきや、それを受け...

岡倉天心の『茶の本』や世阿弥の『風姿花伝』 というのは、若いときに出会うと原石みたいな ものだ。 がつん、ぱきっ、みたいな感じでその後の 人生の色彩を変えてしまう気配が...

小さいときに悩んでいたことが、そのまま書いてあるような本で、読んでいてとてもわくわくしました。 「他人の見ている色が自分の見ている色と同じかどうか。」 考えたこと、あ...

マルキ・ド・サド著、澁澤龍彦訳。 日本語で安価に読めるサドの著作の最高作。 43文字18行で約650頁。読むだけでも疲れるこの作品(しかもこれは一部)を書いた哲学者がサ...

このおっさんが好きです(笑) 「世界一受けたい授業」などで人気を集め、「プロフェッショナル仕事の流儀」でキャスターを務め一気にその名は知れ渡りました。 とりあえす脳科学者...

国際文化会館が招聘し、京都大学・東京大学・東京藝術大学での講演が予定されていたアントニオ・ネグリ氏の来日がキャンセルになった。 ネグリ氏は、社会派のイタリア人哲学者。...

人類が到達してしまった「理性の限界」に関する議論。素人を交えた架空の討論会という形式で書いてあって読みやすい。難しい理論を扱っているが、ここで必要なのは結論だけ。それもやさしく解説してあるの...

NHKのテレビ番組「ハーバード白熱教室」に関するサイトが面白い。検索すると結構な数のブログなどがヒットする。 「ハーバード~」は功利主義・リバタリアニズム(自由至上主義)とその問題点を取り...

本書のタイトルは「イソップ寓話の…」と謳っているが、 正確には、イソップ以外からも、寓話や教訓の類を収集している。 著者の前置き(「はじめに」)によれば、 本書は、 「...

携帯でこのページにアクセス

人生に必要な哲学50 (知ってる?シリーズ)

2次元バーコード対応の
携帯で上の画像を読み
取るとアクセスできます

トラックバック (0)

まだトラックバックされていません。

トラックバックURL
http://www.kanshin.com/tb/keyword-2591086

キャンペーン


ロケットニュース24

未来検索 ガジェット通信
ページの先頭へ ページの先頭へ