村上龍/愛と幻想のファシズム
現代日本文学において、唯一危機感とエンターテインメントを両立させて提示できる作家(と言い切ってしまおう)、村上龍の作品の中でも、個人的に最高傑作と思っている作品。
この作品で描かれているテーマは、実は現代に特有のものではない。歴史の中では何度も繰り返されてきている権力闘争の中で必然的な、ある意味で普遍的なものだ。しかしそれを、村上龍は狩猟、経済、そして大衆といったキーワードを巧みにちりばめ、描ききった。それも、現代の日本が持つ問題点と絡めながら。
彼の作品の中でも最も攻撃的であり、最も勉強して書かれたものであり、そしてある意味最も愛情の込められたこの作品は、いつ読み返しても日本人にとっては最高のエンタテインメントである。そして、ただ「面白いな」だけでは終わらせないものを秘めている。
- 2001/12/20更新
- 2001/12/20登録
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