じろじろみないで
ジロジロ見ないで―“普通の顔”を喪った9人の物語
貴方は電車の中や街の中で、「ちょっと普通と違う顔」を持った人達を凝視したことがありますか?
そして、見られる側の気持になって考えたことがありますか?
ここに登場してくる九人の方々は、先天性のアザや病気などでいわゆる「普通の顔」じゃない人達。
彼等がこれまでどんな思いをして虐げられてきたのか、苦しんできたのかといった切実な訴えから、あることをきっかけにして生きる望みを見出した話などが綴られています。
小学生でも読めるよう、難しい漢字にはふりがなをふっているので、これはぜひ学校の図書館にもおいて欲しい一冊ではないでしょうか?
私がこの本を手に取って驚いたことは、彼等の写真が隠すことなく載っていたことでした。
家族と一緒に、仲間と一緒に。
その輝くばかりの笑顔は「普通じゃない」ことを感じさせない、力強い表情です。
この九人の掲載にあたっては、交渉は難航したということですが、やはり顔写真を載せるということが、かなりのネックになったようです。
この本の製作にあたっては、NPO法人「ユニークフェイス」(固有の顔という意味だそうです)の会員さんも協力しているようです。(下記にリンクを貼っておきます)
九人のうちの一人のお話の中で、私が心を打たれた箇所がありました。
それは、自分の顔をジロジロ見る人には、こちらからは笑顔でお辞儀をして返すのだそうです。
大抵の人間は、予想外の反応に驚いてしまい、おどおどしてしまったり顔を背けたりするのですが、たまに笑顔で返してくれる人がいるとのこと。
これはどういうことかというと、ジロジロ見られることに対して、「何見てんだよっ!」とにらみ返しても、自分には良い気持など残らない。
だったら、見られることもひとつの出会い、笑顔で返そう!と思ってから実行していることなのだそうです。
私はこの人の話を読んで、涙が止まりませんでした。
彼を一言で「強い人だ」と言って済ませるなんてできません。
自分が好き好んで普通じゃない顔になっているんじゃない。だけど、そんな境遇を恨んでも何も始まらない。
彼等の言葉はひとつひとつ力強く前向きで、そして今なお苦悩していることを感じ取ることができたからです。
実は、私と親しい友人にも「ユニークフェイス」な人がいるのですが、彼は苦悩していることを決して表には出しません。
性格も明るくて、聡明で、彼の外見は「一つの個性」として周りも認めていると思います。
私も全く気になりません。
しかし、彼と同じ症状で苦しんできた女性のエピソードが最後に出てきます。
彼女はそのことで深く傷つき、家庭内暴力を振るいますが、その後は逆に自分と「個性」で悩む人達のカウンセラーになるまでになるのですが…。
最後は自ら命を絶ってしまいます。
彼も実は苦悩しているのだろう…と思うと、切なくなってしまうのです。
「かわいそう」「感動した」「頑張って欲しい!」という言葉だけじゃ、この本は読み終えてはいけないと思うのです。
ぜひ書店でこの本を手に取って、彼等の言葉を受け入れて欲しいと思います。
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最新コメント5件
2003/03/04
かこ ”見つめられる顔”です。
上書き込みの宇多田ヒカルの歌はwait and see -リスク でした。
”変えられないものを受け入れる力
そして受け入れられないものを変える力をちょうだいよ
どこか遠くへ逃げたら楽になるのかな そんなわけないよね どこにいたって私は私なんだから
ふ 深いッス。
2003/03/05
まきお(♀) リスクの歌詞、私も以前から「哲学だなあ」と思っていて感心していました。実際ある哲学者の言葉にヒントを得た歌詞だそうです。かこさん、その本読んでみますね。ありがとう。
かこ まきおさん その哲学者のお名前が分かれば教えて頂けますか?
この間 マイケルJフォックスのラッキーマンを読んだときにやはりこの唄と似ているくだりがあり なんか出典があるのかな と気になっていたもんで
まきお(♀) >かこさん 哲学者じゃなくて、神学者でした。ラインホルト・ニーバーによる、「エティンガーの祈り」という言葉のようです。きっとヒッキーも学校でその言葉に触れる機会があったのだと思います。聖学院のサイトに訳したものがありましたので、ご覧になって下さいね。http://www.seig.ac.jp/edu/inori.htm
かこ まきおさんありがとうございました。
マイケルの本に書かれていたものはほぼこれと同じです。
つながりがクリアになってすっきりしました。
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