へいきんがお
平均顔
「平均顔」というのがある。
何人もの顔からデータを取り、その平均値からひとつの顔を再現する。たとえば「政治家の平均顔」や、「Jリーガーの平均顔」などhttp://www.saitama-kenpaku.com/...、ご覧になったことはないだろうか。この手法は、顔学(かおがく)の「かお」として、すっかり市民権を得た感がある。顔学で有名な、東京大学工学部電子情報科原島・苗村研究室では、Windowsで動く平均顔ツールhttp://www.hc.t.u-tokyo.ac.jp/...も公開している。
何と言っても、我々はまず顔を見る。パーティでは「知ってる顔」を探し、「見掛けぬ顔」ならあれは誰だろうと尋ねる。「40歳すぎたら、自分の顔に責任を持て」と昔の偉い人や口のくさいオジサンは言っている。
顔はいろんな意味でいつも人間の関心ごとだった。なのに、顔についての学問がごく最近までなかったのは、人が寄せる関心があまりに強すぎて、しかも顔の存在があまりにありきたり過ぎたからかもしれない。
ところが人類が手にする通信手段の発達は、我々を次第に「顔」から遠ざけていった。そもそも「通信」というものは、顔も見えない相手とコミュニケーションすることだった。たとえば狼煙から手紙まで、さらには電報、電話、ラジオ、パソコン通信……。そしてこれらの、匿名ならぬ「匿顔のコミュニケーション」が、人類文明に多大な恩恵をもたらしたのも確かだった。
だがしかし、テクノロジーの発展はやがて「顔」に追いつく。まず絵画が、そして映画が、テレビが、テレビ電話、インターネットその他が、「通信手段」に「顔」を取り戻した。その段になって、「我々が取り戻そうとしている、取り戻しつつある『顔』とはいったい何なのか」という問いが生まれた。いうまでもなく学問は問いにはじまる。加えて、「顔を伝えるテクノロジー」は、また「顔を扱うテクノロジー」として応用可能だった。たとえば「平均顔」の手法は、テレビ電話の研究から出てきたものだった。
平均顔ギャラリー:http://www.hc.t.u-tokyo.ac.jp/...
参考文献:原島博『顔学への招待』(岩波 科学ライブラリー)http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/...
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