おおやそういちぶんこ
大宅壮一文庫
評論家であった(故)大宅壮一が生前コレクションした蔵書とその分類システムをもとに1971年に設立された雑誌図書館。
すごく役に立つのは、「本は読むものではなく、引くもの」をモットーにしていた、大宅氏の思想と、それを実現する文庫のシステムのため。
たとえば大正12年に、あるいは昭和50年に、どんな人気者がいたのか、何が流行っていたのかを探すにはどうしたらよいか。単行本は資料としてはあまり役に立たない、と大宅氏はいう。理由は、ひとりの著者というフィルターを通っていて、情報があまりに淘汰・濾過されすぎているから。そこへいくと、雑誌はおもしろい。とくにインチキ雑誌、バクロ雑誌の類は、事件・時代の背景がぞんぶんに盛り込まれていておもしろい、と。
一般雑誌、バクロ雑誌の類からなる、膨大・雑多な資料を、「読むのではなく、引く」ために、大宅氏は数人のスタッフを長年投入して、雑誌を1ページ1ページしらべあげ、書いた人についてではなく書かれた人についての人名索引と、独自分類の件名索引を作り上げた。
大宅文庫設立15周年を記念して、カード式だった索引が、1985年に『大宅壮一文庫雑誌記事索引総目録』として書籍化された。公立図書館にはあるから、試しにいま活躍中のあの人や、有名なあの人など引いてみるといい。大宅氏が残そうとした「一時大衆の間に圧倒的に受けて、今はもうゴミタメの中にあるようなもの」がどんなものかよくわかる。件名検索も実に楽しい。同じネタが、時間をおいて、何度となく繰り返されているのがよくわかる。ネタに困った編集者がネタ探しに大宅文庫を訪れたりするからである。
雑誌記事収集と索引作成はもちろんその後も続けられ、『目録』も続編が続版されているし、また1988年以降の索引はCD-ROM化されている。有料だがweb公開もされている。なお大宅壮一文庫のホームページでは、「索引ランキング」や「索引の見本」などが紹介されている。
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