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Phrenology

骨相学

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 ウィーン大学卒業後、ウィーンで開業していたドイツ人医師ガル(Franz Joseph Gall 1758~1828)は、脳の解剖学と神経の生理学の研究につとめ、 脳髄が繊維のシステムであること、錐体路系とその交差の存在、そして動眼・三叉・外旋神経など各神経の起始点を突き止めるなど、大脳生理学上の発見をおこなった。またイタリアの解剖学者モルガーニの影響下に, 幼児や成人の正常脳,各種の病気の人の脳, 天才人の脳,動物の脳などを比較研究することで、独自の独自の〈器官学Organologie〉を編み上げていき、1796年から私的な講義を開き、これを講義した。ガルの〈器官学〉によれば、脳は「色、 音、言語、名誉、友情、芸術、哲学、 盗み、殺人、謙虚、高慢、社交」などといった精神活動に対応した27 個の〈器官〉の集まりであり、しかもその器官・機能の差が頭蓋の大きさ・形状に現れるのだと主張した。これはもっとも初期の脳機能局在論であり、また近代骨相学のはじまりである。
 ガルの主張によれば、たとえば「破壊官」や「粘着官」といった器官が大きいものは、執拗で残忍な傾向が強い(らしい)。ガルの主張のポイントは、精神的気質が、物理的に計測可能なかたちで現れることであり、頭蓋骨を外から視診・触診すれば,その人の性格や素質を知ることができるとまで説いたところである。
 1802年、ガルのこの説はあまりに唯物論的であるとされ、キリスト教に反するとされて、ガルはオーストリア政府によってウィーンを追放される。 しかしガルはヨーロッパ各地で講演をつづけ、1807 年にはパリに移り、ここで解剖学者シュプルツハイムJohannChristian Spurzheim (1776‐1832) と連名で主著《神経系, とくに脳の解剖学と生理学》全4巻 (1810年から19年にかけて刊行) を発表する。このシュプルツハイムによって、ガルの主張は、頭蓋の骨相によって人の善悪・賢愚を判定できる〈骨相学Phrenologie〉と銘打って宣伝されるが、この名はフォースターT.I.M.Forsterによって1815 年にイギリスに紹介された際に使われた「phrenology」という名称をシュプルツハイムが取り入れたものである。

 骨相学は、19 世紀前半の欧米で大いに流行する。大衆的な人気を博した理由は、いくとおりもの意味でわかりやすいことだった。精神(という見えないもの)と物(頭蓋骨という見えるもの)の対応も分かりやすければ、頭蓋骨(アタマの形)という外から見えるもので判断できるのもわかりやすい。おまけに非専門家にも修得が簡単である。 頭蓋骨の収集と脳の計量が流行し、骨相図がちまたに氾濫し、欧米のあちこちで骨相学会が誕生し、 多くの学者が研究のために死後自分の脳を提供した。またT.ブラウン、E.スウェーデンボリ、F.J.ハイドンら有名人の頭蓋骨が狂信的な骨相学者によって墓から持ち去られた。

その後の展開をごく簡単にまとめると、こんな感じ。

 1 通俗的悪用がはびこり、シュプルツハイムともどもガルも山師的に人気をなくしていく
 2 大脳中枢の地図が明確に決定されてゆく中でガルの「器官説」自体が否定されていく
 3 犯罪への応用=犯罪の計測学から実証的犯罪研究へとつながっていく。
 4 犯罪の素質論から、優生学や人間改良への展開。これは断種論(特定の人種を断つことを目指す)にもつながっていく。

ちなみに人種の骨相学的分類では、日本人を含む「モンゴリアン」は「倫理的に劣り模倣的で独自性がない」らしい。

なお、科学として前向きに捉えようとするページとして、The Phrenology Pageがある(http://www.phrenology.org/ )。骨相学の歴史や論争の変遷、人類学との関連などのリサーチを紹介してる(英語のみ)。

骨相学

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kurubushi

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