どるおーくしょん
ドル・オークション
ちょっとヘンテコなオークション。参加者は、なんでもない1ドル札を競り落とす。
スタートは1セントから。(1ドル=100セント。念のため)。普通のオークションと同じに、1番高い値をつけた人が競り落とすことになる。普通とちがうのは、2番目に高い値を付けた人も、何にも手に入らないのに、オークショナーにその金額を支払わなければならない。
どうしようかなとみんなが様子見してる。それを見てAさんが手をあげる。「じゃ、1セント」。このままだと、Aさんがたった1セントの出費で、まんまと1ドルを手に入れることになる(99セントの利益)。
「わたしは2セント」Bさんが声をあげる。このままだと、Bさんはたった2セントの出費で、まんまと1ドルを手に入れることになる(98セントの利益)。付け加えるなら、現在では2番目に高い値を付けているAさんは、さっきつけた値である1セントを取られてしまう。
「じゃ、3セント」とAさんは新しい値を付ける。このままだと、Aさんはたった3セントの出費で……(以下、略)
ずっとやってなさい、って感じがしてきた。そこで時計を進めてみよう。
「わたしは101セント!」
「じゃ、102セント!」
「わたしは103セント!」
「じゃ、104セント!」
……
この二人は何をしているのだろう。1ドル=100セントしか手に入らないというのに、それ以上の値をつけたりして。
しかし、この2人(AさんとBさん)の身になって考えてみてほしい。オークションから降りることは、さっきにつけた値の損することになる。それを避けるには、資金の及ぶところまでこのチキン・レースを続けるしかない。そうやって「負けない」ことが優先されて、手に入るモノの価値とは無関係にセリ値が上がっていく。つっこんだセリ値が上がれば上がるほど、損害が大きくなってますます負けたくなくなる……。
とてもヘンテコなオークション(ゲーム理論家のシュービック発案)。でも、これと似たシチュエーションってけっこうある……。
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コメント (17)
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2003/03/06
kurubushi (笑)。ほんと、そんなに合理的なら、プレイヤーは最初から囚人になんかならなかったろうし、共有地のジレンマも、広義の環境問題もおこらなかったんでしょうね。あとN人集団における囚人のジレンマ(って言いません?文献でみたことある)は、2人囚人のジレンマよりも大変です(くりかえしゲームまで考えると、わかる)
CLASH いやいや、ドル・オークションは強制参加だと成立しないけど、囚人のジレンマは、囚人になる事を強制されたところから始まるわけですから、ちょっと問題が違うかな と。N人参加×N回戦って、例の「しっぺ返し」(1回目は協調、2回目以降は相手にやられた事をそのまま相手に返すというロジック)が勝つというやつのことでは?
kurubushi いやいや(笑)。ドル・オークションについては、むしろ「強制参加じゃなくても成立する」と言うべきでしょう。現実的にはけっこう引っかかるんですよね(でないと、この話自体がつまらないことになって、淘汰されちゃう(笑))。あと、clashさんがおっしゃるアクセルロッドの実験は、多数参加ですが、戦い(対決)自体は1対1なんです。たまたま出会った同士で対決するんですね。n人囚人ジレンマは、2人囚人ジレンマにはある、繰り返しゲームでの協力解がないんで。
2007/06/01
すとっぷ おんなじようなシュチュエーションが本に出てまして・・・その受け売りなんですが。
AさんBさんだけなら、AさんBさんで談合してどちらかが安く落札し配分する。
其れが出来ないのならば、オークションの最初で1ドルのコールをかけて、相手に落札する意味を全く無くさせる。
こんなの如何でしょう?
2007/07/05
kurubushi どうもです。2003/03/06に書いた(なんて昔なんだ!)コメントに似てますね。「そう。協力ができるなら、それが最適なのですが。裏切りの可能性が否定できないので、Aさんの取り得る作戦としては、最初からいきなり1ドル=100セントで競り落とすことです。これだと、次にライバルが参入するインセンティブが生まれない。」
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