ハラスのいたひび
ハラスのいた日々
”人と犬との縁というのも、考えてみるとふしぎなもので、ある意味では人間どうしの出会い以上にふしぎかもしれない。犬なんてみな同じようなものだと、前は思っていたが、あとになってみればその犬以外の犬ではだめだという、かけ替えのない犬になっているのだから。“(ハラスのいた日々/「そもそもの初め」より)
子供のいない夫婦の家の新築祝いに贈られた、柴犬の「ハラス」。犬を中心とした穏やかな生活と、周りをとりまく様々な犬と人との交流の物語。
中野さんの愛犬を思う愛情の深さと観察力の深さに引き込まれて読んでしまいます。「我が家の犬が一番!」は、やはりどこも同じ。
ハラスが夫婦に置いてきぼりにされた、と勘違いして失踪してしまう、「生涯の一大事件」、十三年の生涯を閉じる「いないという事」。ハラスがどれだけ愛されているか、どれだけ周りの人々にかわいがられているかが、痛いほど感じられます。
読むたびに、あたたかさと切なさがこみあげてくる、一冊。
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