タチヨミ ニ マツワル モットモ ウツクシイ ハナシ (ゲッコウ ニ ショヲヨム)
立ち読みにまつわる最も美しい話 (『月光に書を読む』)
朝から、不覚にも感動して涙を流してしまった。
朝日新聞(2010年11月03日 朝刊)のコラム「天声人語」に引用された一節を読んでいる時のことだ。
「立ち読みにまつわる最も美しい話――というのをエッセイストの鶴ケ谷真一さんが書いている。
19世紀欧州のある街で、貧しい本好きの少年が毎日、書店のウインドーに飾られた一冊の本を眺めていた。読みたいけれどお金がない。ある日のこと、本のページが1枚めくられていた。翌日も1枚めくられていて、少年は続きを読んだ。そうして毎日めくられていく本を、少年は何カ月もかかって読み終えることができたそうだ(『月光に書を読む』)。
おとぎ話のような、書店の主(あるじ)の計らいである」
毎朝、政治経済、社会の紙面ではムカッ腹の立つ記事ばかりのなかで、久し振りに心に染みるエピソードだった。
ウィンドー越しに何ヶ月もかかって、好きな本を立ち読みした貧しい少年の話が実話かどうか…、気になるので、早速、本書をamazon.comで注文して取り寄せることにした。
そして、パソコンに向かいながら…、ふと考えた。
電子書籍ならすぐダウンロードして本書を読めるのに…、と。
さらに、妄想は広がり、
近未来において、「書店のウインドーに飾られた一冊の本」が、リアル本、つまり「紙の本」ではなくて、iPadやKindle(キンドル)のような「電子書籍端末」だったなら、「貧しい本好きの少年」と「書店の主」のようなエピソードは起こりうるのだろうか…、と。
「活字離れ」と言われ続けて久しいが、現実は「リアル本(書籍)離れ」なのかな…とも思う。
なぜなら、パソコン画面も、ケータイ画面も、ほとんど「活字」であり、皆んなそれを読んでいるのだから…。
さらに活字だけでなく、写真、映画や音楽、あらゆる無形の文化資産が、「書店のウィンドー」まで出かけなくても自宅に居ながら入手できてしまうのだなあ…。
…などと、思いをめぐらす文化の日の朝である。
- 商品名: 月光に書を読む
- 価格: ¥2,100
- 著者: 鶴ヶ谷 真一
- 出版社: 平凡社
- 発売日: 2008-04
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コメント (4)
2010/11/03
おでんの玉子 いい話だなぁ……うん。
ネコまいける おでんの玉子 さま コメントありがとうございます。 実話でも創作でも…、いずれにしても「いい話」ですよね。 創作ならば、オー・ヘンリー賞もの…か、オー・ヘンリー自身の作であってもおかしくない掌編ですねよゑ。
2010/11/04
真琴 なんかしみじみしました…。そういえば昨日の新聞(朝日)未読だった。
ネコまいける 真琴 さま コメントありがとうございます。 最近、新聞の紙面は暗いニュースばかりが続いています。 明るいニュースも稀にあるのですが、しみじみと心に染みるような「いい話」は、まだまだ少ないですね…。 もっとも、「いい話」がニュース(事件?)になるような社会では困るけれど…。
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