いやりんぐ
イヤリング
子供の頃、好きだった子の顔をちらちらと盗み見ているうちに、澄ました顔をして授業を聞いている同級生全員の横顔にくっついている耳が、突然奇妙な存在に思えてならなくなった事がある。
思えば人間の体の中で耳ほど不用意にその姿を人目に晒しているものはない。人の後ろ姿にさほど面白い部分はない。正面は相手にも見られていると思うからそうジロジロと観察できない。無防備な横顔に、あの奇妙な耳がある。
縄文の昔から、人が耳環を手放せなかった理由も分かるような気がする。
- 2003/03/24登録
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