関心空間はブックのクチコミも満載!

新着

... もっとみる
ログイン | ユーザー登録(無料)

あめのおうへんだそん

雨の王ヘンダソン

  • 雨の王ヘンダソンの画像

■OZ★オザワカヲルによる評(抜粋)

アメリカ人にとっての冒険小説は「ハックルベリー・フィンの冒険」にすべての原点があるとも言われている。現在あるアメリカ文学の青春小説、冒険小説は「ハックルベリー」の様々なバリエーションに過ぎない。そんな中で、一風変わった冒険譚の物語がある。ノーベル文学賞受賞作家ソール・ベローの「雨の王ヘンダソン」である。(中略)「ヘンダソン」はどこか明るく滑稽さに彩られている。ある種「ハックルベリー・フィン」が無邪気にアフリカまで出かけていったような物語である。

「シタイ、シタイ、シタイ!(I want!)」と心の欲望の声に迫られながら、実際のところは「何がしたいのかわからない」男の冒険譚である。何不自由ない、名門出身の金持ちヘンダソンは、肥満した巨体を揺らしながら、何かにつけ「欲しい」「やりたい」「何かやらなきゃ」「何とかしなきゃ」という強迫観念めいた欲求に責め立てられている。それが、アフリカの奥地まで出かけていってひと騒動(幾騒動も)巻き起こす原因である。そんな衝動に突き動かされて、すぐさま行動を起こす彼が主人公である。

「狂気の時代においては、狂気におかされまいと望むこと自体が、一種の狂気に違いない。だが、正気の追求もまた、一種の狂気ではないか」

ヘンダソン本人もそんな自分の異常さに気づいてはいるが、その衝動を抑えることは出来ないのだ。無邪気なまでに自分の欲求の正しさを信じている。困ったものだ。無論、そんな男に勝手に来られたほうにとっては迷惑な話だ。言うなればお節介のかたまりである。しかも信念をもってお節介をしに来ているのだからたまらない。それがアメリカ人という訳だ

雨の王ヘンダソン

このページに
携帯でアクセス

2次元バーコード対応の携帯で読み取ってください

詳細情報
  • ソール・べロー■著
  • 佐伯彰一■訳
  • 中公文庫■1988
  • 640円■絶版
  • 2003/03/25登録
  • 2266クリック

このキーワードを共有する

つながりキーワード (2)

アメリカのサバービア(郊外住宅地)の戦後から現代に至る発展過程や、家族と個人、ライフスタイル、政治や人種問題との関係などをめぐる諸問題を、映画、小説、ノンフィクション、音楽、写真やその他のア...

ホッファーの言葉から 《アメリカ人の浅薄さは、彼らがすぐハッスルする結果である。ものごとを考えぬくには暇がいる。成熟するには暇が必要だ。 急いでいる者は考えることも、成長することも、堕落す...

キャンペーン


ロケットニュース24

未来検索 ガジェット通信
ページの先頭へ ページの先頭へ