ゴシック体
15世紀の中頃に、グーテンベルクが開発した活字印刷術に用いられたラテン文字は,後年にドイツの国字となりドイツ・ゴシックと呼ばれました。その後,印刷術が各国に伝播すると共にこの書体も普及しましたが,読みにくさからイタリアではローマ時代の書体を基にローマン体が創作されました。ヨーロッパでゴシックと言えばこの装飾された文字を示します。
20世紀になるとサンセリフと言う書体が開発され、これが太さが一様なセリフ(ウロコ)の無い文字なのです。アメリカのベントンは創作したサンセリフ体に「オルタネート・ゴシック」(ゴシックに替わる書体の意味)と命名しました。この活字が日本に輸入され,長い書体名を略して「ゴシック」と呼ばれて、いつのまにか「ゴシック」として日本に定着してしまったと言われています。
当時の日本では印刷の題名や見出し書体に隷書体を用いるものがありましたが,欧文のゴシック活字が輸入されると,このデザインに触発されて和文のサンセリフ体が設計されました。これを日本ではゴシック体と呼称し「呉竹体」と漢字書きされることもありました。中国では黒体と呼んでいます。
ですので、日本で言うゴシック体のデザインコンセプトは、欧米のサンセリフにあたります。
- 2001/12/25登録
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コメント (4)
2001/12/25
ohsamu 「呉竹体」ってカッコいいですね。西洋の言葉を漢字に当てる昔のセンス,素敵。
バスター 仕事で各種字体に触れる機会が多い私ですが、ルーツにまで思いが及ぶ事はありませんでした。参考にさせていただきます。
2002/04/01
Go涼 あーそれで,サンセリフというのですか,なるほど勉強になるなぁ「ぶらぶら」
2002/08/15
koolblues 「愛書家の年輪」高宮利行著より引用
<中世>を表す形容詞として同義に用いられたゴシックという言葉は,もともと中世の芸術に対する蔑称であった。イタリア・ルネサンスにおいて人文主義者達が自分達より前に存在した書体(ゴシック体)や芸術を野蛮だとして,ローマ帝國を滅ぼした憎き蛮族ゴート人の名を用いて,ゴシック(ゴート風)として軽蔑したのである。
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