ホンダ ピースリー
HONDA P3
2000年夏、ビッグサイトで開催中の「21世紀夢の技術展」略して「ゆめテク」に行った。そしてホンダの世界初の「自律歩行人間型ロボット・プロトタイプ3」通称「P3」のデモンストレーションを見た。CMで、ニューヨークの地下鉄出口の階段をてくりてくりと上がってくる、あの白いやつだ。
いやあ、歩くだけなんだけどね。わかってるんだけど、すごく愛しく思えるんだよね、これが。
身長は160cm、二宮金次郎みたいに背中にちょっと大きな荷物をしょって、体重は130kg、それが最大歩行速度2km/hで歩き、階段の昇り降りとかもする。コードなんかつながってなくて、彼は一個の「自立(自律)した」物体なんだって限りなくアピールしてくる。
その形と動きがあんまりにも人間ぽいことが、見ているほうの気持ちをゆさぶる。そして彼はどの人類よりも寡黙で純粋で、限りなくひたむきなのだ。まるでどっかからやってきた神の子だ。
と、見ているときはそんなふうに思ったのだけど、夜道を帰りながら考えたことはこう。
「そもそも神は、その肖像(すがた)に似せて人間を創り給うた。この創造の原形からして、神の被創造物たる人間は、造られた存在であるおのれの肖像(すがた)に似せて何物かを造ろうとする。」(種村季弘「怪物の作り方」)。
ただヒトのように歩くロボット、それへの情熱と感動の根本がここにあるのなら、その正体はアガペーなのだなあ。人類にとってP3がどうしようもなく愛しいように、きっと神さまも人間を愛しているに違いないなあ。となんだか実感した。そんなよい一日だった。
プロトタイプを経て、いまはもう「ASIMO」が誕生している。でもなんだか、あのとき出会ったP3は、いまでもとても愛おしい。
↓HONDAオフィシャル ロボットサイト
- 2003/03/29更新
- 2003/03/29登録
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