サケロック
SAKEROCK / ホニャララ
ツイッターをやりはじめて、それから子どもができて、わかったことがあります。
それは、自分がほんとうになにもわかっていなかったということ。
わかっていなかったということがわかった。
それがほぼすべてだと思います。
じぶんが無知だと知ったときのきもちよさ。
それがいちばんの知なんじゃないかと。
なんでも「わかってる人」は、「学ぶ」必要もないですからね。
勝間和代さんが出演するBSジャパンの『デキビジ』という番組に、上杉隆さんがゲスト出演されました。その収録の様子をそのまま、USTREAMで生配信するということをツイッターで知り、視聴してみました。たいへんおもしろかった。その中で、上杉さんが言っていた言葉です(記憶によるので言い回し等は実際と異なります)。
「日本のマスコミ報道は空気が決める。事実よりも空気。空気によって事実を作り上げる。麻生内閣の場合。麻生氏は解散するとは言っていないのに、言ったという誤報を訂正できない彼らは、解散しないと『麻生がブレた』と。そうやって解散という事実を作り出していく。」
「日本では、メディアは間違えない事を前提にされている。少しでも誤報があればもう信じられない、と。」
間違えないということは、なんでもわかっているということです。
日本に於いて、マスメディアはなんでもわかっている。とされている。
わかってないこと、間違ったことを認めたくないから、常に「わかってる人」を演じなきゃいけない。そういうメディアに日常茶飯事に触れていると、ふつうの人たちも、なんとなく自分たちも「わかってる人」になったような気になります。わかってないことは恥ずかしいことなんだと。そして、「教養」なんていうことを言い出して、他人にもそれを強要しようとします。どちらがよりわかってるかを競うために論争します。論争は、勝つか負けるかです。勝った方が正しく、負けた方は間違い。
いま日本中に瀰漫してる息苦しさのは所以はたぶんここにあります。ぜんぶが自分と同じでなきゃ気がすまない(だから間違っている側は排除してしまえ)というマインドです。
これはこどもの論理です。大人はそんなこと言っちゃいけません。
にんげんは、間違うものです。
わかっていることよりも、わかっていないことのほうが圧倒的に多いんだから。
間違ったらあやまればいい。あやまられたら許せばいい。
ゆるやかにいきましょうよ。もっとてきとーでいいじゃないすか。いろいろ。
それが、大人の態度ってもんだと思います。
(こういうことを言うと、だいたい危機管理やセキュリティを理由に反論されます。でもぼくは、ドロボーに入られないように自分の家をフェンスでぐるぐる巻きにするくらいなら、少しぐらい盗まれても自分が住んでて気持ちのいい状態にしておきたいと思います。ぼくは、ね。)
で、SAKEROCK。
3rdアルバムである『ホニャララ』を聴きました。
現在の音楽シーン(マーケット)から思いっきり外れてますね。
インストバンドなんですが、なによりもこの脱力感。泣けます。
YoutubeにアップされていたPVをぜひご覧ください。
SAKEROCK / 会社員と今の私
この、なんともいえない、愛すべき「トホホ感」。
あるいは、90年代のサブカル系がもっていた、わけのわからないエネルギー。少年のようなあそびごころ。マーケティングという、正しいか間違ってるか、勝つか負けるか、という2者択一型の思考からハミ出した世界。アンチではなくオルタナティヴ。ゆるやか、てきとー。
このゆるやかさがどこから生まれるのかというと、彼らは鍵をあけてるんですね。ドロボーに入られるのを覚悟のうえで。みずからに内在する「トホホ感」を認め、ある意味であきらめるというか、共生していくという覚悟。それを確認する俯瞰的視点をもっていなければ、こういうPVは作れないと思います。センスいいです。
正解や教養の範疇からは生まれ得ないものがよのなかにはあります。
SAKEROCKのおんがくには、それが、ある。と思う。
会えて良かった。
- 商品名: ホニャララ
- Amazon 最安価格: ¥210
- レーベル: カクバリズム
- 発売日: 2008-11-05
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- 2010/12/04更新
- 2010/12/04登録
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